公開日:2026/09/30
山奥や離島、海上にいるとき、あるいは災害で基地局が停止したときなど、スマートフォンが突然「圏外」になることがあります。地図も見られず、検索や通話もできなくなり、助けを呼ぶ手段まで失われるのが、圏外の怖さです。
しかし、携帯電話網が使えない場所での通信手段は、1つではありません。空が見えるなら衛星通信、仲間同士の連絡なら無線機やメッシュ通信、地下や建物内なら有線通信、遭難や緊急時には緊急用ビーコンと、用途に応じた選択肢があります。
この記事では、圏外で利用できる通信手段を、衛星通信、無線機・トランシーバー、メッシュ通信、有線通信、緊急用ビーコンの5種類に分類し、それぞれの特徴や利用シーン、注意点を比較します。特に、近年選択肢が急速に増えた衛星通信については、利用する機材ごとに4つのタイプに分けて解説していきます。
個別のサービスを調べる前に、まず全体像を押さえておきましょう。携帯電話の電波が届かない場所で使える通信手段は、次の5種類に分類できます。
手段 | できること | 向いている場面 | 弱点・注意点 |
衛星通信 | インターネット、メッセージ、音声通話、SOS発信 | 山・海・離島・災害拠点など空が見える場所全般 | 空が見えない屋内・深い谷では使えない |
無線機・トランシーバー | 近距離〜中距離の音声通話 | 登山グループ、作業現場、イベントなど仲間内の連絡 | 相手も同じ規格の無線機が必要 |
メッシュ通信 | 端末同士でのテキスト通信、位置情報の共有 | 登山グループ、作業現場、災害時の簡易連絡 | 対応デバイス同士でないと使えない(日本では技適マークの確認が必須) |
有線通信 | 通常のインターネット、通話 | 地下・建物内・トンネルなど電波が通らない場所 | 外部回線や衛星回線など上位回線が届いている場所でしか使えない |
緊急用ビーコン | 遭難信号・位置情報の発信 | 海難など救助要請に特化した場面 | 日本では海上での使用に限られる(無線局の免許が必要) |
重要なのは、この5つは互いに代替できるものではないという点です。例えば、衛星通信でインターネットが使えても、地下や建物内では利用できない場合があります。また、無線機で仲間と連絡が取れても、外部の救助機関へつなげられるとは限りません。大切なのは「どれか1つを選ぶ」のではなく、「役割の異なる通信手段を組み合わせて備える」ことです。
同じ「電波がない」状態でも、その状況は大きく2つに分けられます。状態を正しく見極めないと、せっかく用意した機材を十分に活用できません。
まずは、自分が想定している「圏外」がどちらに当てはまるのかを整理したうえで、通信手段を選びましょう。
選択肢が多くて迷うときは、次の3つに答えると候補を絞り込めます。
Q1:誰と連絡したいですか。
外部との連絡が必要なら衛星通信、家族や救助機関への緊急連絡ならスマートフォンの衛星機能や緊急SOS、同行者との連絡だけなら無線機やメッシュ通信が向いています。
Q2:何をしたいですか。
インターネットを使いたいならアンテナ設置型の衛星通信、テキストと位置情報の共有ならスマホ直結型、音声通話なら無線機か衛星電話、緊急時の救助要請だけならSOS機能や緊急用ビーコンが候補です。
Q3:空は見えますか。
空が見えない場所では衛星通信は利用しにくいため、有線通信か屋内用の中継設備に絞られます。
近年、個人でも利用しやすくなり、圏外対策の有力な選択肢となっているのが衛星通信です。ただし、一口に「衛星通信」といっても、必要な機材や利用できる機能は大きく異なります。違いを理解せずに選ぶと、用途に合わないサービスを選んでしまうかもしれません。
衛星通信は、利用する機材によって4タイプに分類できます。自分がどのタイプを必要としているのかを事前に整理すると、サービス選びがスムーズになります。
タイプ | 代表例 | 必要な機材 | おもにできること | 向いている人 |
①アンテナ設置型 | Starlink | 専用アンテナ+ルーター+電源 | 高速インターネット(Wi-Fi) | 拠点にインターネット環境をつくりたい人 |
②スマホ直結・一般型 | au/SoftBank/docomo Starlink Direct | 対応スマートフォンのみ | メッセージ、位置情報共有、対応アプリでのデータ通信 | 手持ちのスマートフォンで利用したい人 |
③スマホ直結・緊急SOS型 | iPhoneの衛星機能 | 対応スマートフォンのみ | 救助要請(SOS)、位置の共有、テキストメッセージ | 万一の備えだけ確保したい人 |
④専用端末型 | 衛星電話、衛星コミュニケーター | 専用端末+契約 | 音声通話、双方向テキスト、SOS | 業務利用・長期の遠征をする人 |
②と③はどちらも「スマートフォンだけで使える」タイプで、利用できる機能には一部重なる部分があります。
専用アンテナとルーターを設置し、その場所にWi-Fi環境を構築するタイプです。代表例はStarlinkで、通信速度や容量の面では圏外対策向けの通信手段のなかでも高い性能を備えています。低軌道衛星を利用するため遅延が小さく、公称値は陸上で25〜60ms程度。動画視聴やWeb会議も可能です。
向いているのは、山小屋、キャンプ場、離島の施設、キャンピングカー、船、災害時の避難所・現地対策本部など、「一定の場所にインターネット環境を構築したい」ケースです。複数人が同時に利用できるため、家族やチーム単位での利用にも適しています。
一方で、アンテナの設置場所と電源の確保が前提のため、徒歩の登山で持ち歩くのは現実的ではありません。
導入費用は、標準キット(Standard)が55,000円、携帯性を重視したStarlink Miniが34,800円。月額料金は個人向けの「ホーム100Mbps」で4,900円、上位の「ホーム」で7,100円です。(2026年7月時点。キャンペーンやプランにより変動します。またタイミングによっては在庫切れとなっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。)
専用アンテナや専用端末も用意する必要がなく、普段使っているスマートフォンが直接Starlink衛星と通信するタイプです。
日本では、2025年4月にau Starlink Directが国内で初めて提供を開始し、2026年4月10日にSoftBank Starlink Direct、2026年4月27日にdocomo Starlink Directが続きました。現在は携帯3社が同じStarlink衛星(650基超)を利用してサービスを展開しています。
利用できるおもな機能は、次のとおりです(以下はau Starlink Directの例)。
一方、利用できない機能もあります。2026年5月時点で音声通話には対応しておらず、Webブラウザや動画配信、SNSなど、衛星通信に対応していないアプリのデータ通信は利用できません。また、「au 5G/4G LTEのエリア外」で動作する仕組みのため、エリア内やWi-Fiの通信範囲内では利用できません。周囲に木や山、建物などの遮蔽物がある場合は、接続が制限されることがあります。
料金は、au利用者であれば当面追加料金なしで利用できます。UQ mobile、povo、他社回線を利用している場合は「au Starlink Direct専用プラン+」への加入が必要です。UQ mobileのコミコミプランバリュー・トクトクプラン2を利用中であればセット割引により月額0円、それ以外のUQ mobile契約では月額550円、他社回線では月額1,650円で利用できます。(いずれも申し込み当月から3ヵ月間は無料)
また、海外での利用も始まっています。2026年6月時点では、アメリカ(本土・ハワイ・一部アラスカ・プエルトリコ)とカナダで利用でき、2026年9月にはフィリピン、2026年内にニュージーランドも利用できるようになりました。
このタイプのサービスは、今後さらに増える見込みです。楽天モバイルはAST SpaceMobileと提携し、「Rakuten最強衛星サービス Powered by AST SpaceMobile」を2026年第4四半期に提供開始できるよう目指しています。市販のスマートフォンでの利用が想定されていますが、提供方法や料金は現時点で公表されていません。
同じくスマートフォンだけで利用できますが、こちらは日常の連絡ではなく「万一のときに助けを呼ぶ」ことをおもな目的としています。
日本では2024年7月30日から、iPhoneの「衛星経由の緊急SOS」と衛星経由の「探す」機能が利用可能になりました。現在の対応機種はiPhone 14以降のモデルとApple Watch Ultra 3です。端末のアクティベーションから2年間無料で使えます(アクティベーションの時期によって起算日や無料期間が異なる場合があります)。
ここで押さえておきたいのは、iPhoneの衛星機能は、現在では緊急時の専用機能ではなくなっているという点です。2025年12月9日から、日本でも「衛星経由のメッセージ」が使えるようになり、圏外でも家族や友人とテキストのやり取りができるようになりました。
ただし、衛星経由のSMS(ショートメッセージ)の利用可否は通信事業者によって異なります。例えば、楽天モバイルは2026年3月26日に対応を開始しました。auについては、Appleの衛星機能とは別に、自社のau Starlink Directでメッセージの送受信に対応しています。利用できる機能は契約している通信事業者によって異なるため、自分の機種や契約回線でどこまで使えるか事前に確認しておくと安心です。
このように、「緊急SOS型」は端末の種類ではなく、救助要請をおもな目的にした「使い方」を表す分類と考えるとわかりやすいでしょう。②と③の境界は年々あいまいになっているため、「どのサービスを選ぶか」ではなく「自分に必要な機能は何か」という視点で選ぶことが大切です。
また、救助要請の体制も整備が進んでいます。KDDIは2026年5月28日から「au Starlink Direct SOSセンター」の提供を開始し、圏外からのSOSを24時間365日受け付け(※1)ています。SOSセンターが利用者からのSOSを受け付け、内容を確認したうえで警察機関・消防機関・海上保安機関といった緊急通報受理機関へつなげる仕組みです。
専用端末を使うタイプで、衛星電話は音声通話、衛星コミュニケーターはテキストや位置共有、SOS発信に対応します。
衛星電話の代表的なサービスには、イリジウムとインマルサットがあります。イリジウムは高度約780kmを周回する低軌道(LEO)衛星を利用するため、静止衛星方式と比べて遅延が少ないのが特徴です。
一方、インマルサットは高度約35,000kmの静止衛星(GEO)を利用するため、音声の遅れを感じる場合があります。その代わり、代表機種のIsatPhone 2は最大160時間の連続待受時間を備えるなど、長時間運用に適しています。
音声通話は不要で、双方向のテキストメッセージと位置共有、SOS発信だけでよい場合は、Garmin inReachなどの衛星コミュニケーターも有力な選択肢です。スマートフォンとは別の電源・通信経路を確保できるのが強みです。長期の遠征や災害対応、業務利用ではスマートフォンが故障した場合の予備の通信手段として役立つでしょう。
ここ数年で衛星通信が一気に実用化した背景には、低軌道衛星(LEO)の普及があります。LEO衛星通信では、高度160〜2,000km程度を周回する多数の小型衛星を連携させた衛星コンステレーションにより、広いエリアをカバーしています。圏外対策で注目される理由は、おもに次の3点です。
低遅延と高速通信
従来の静止衛星(高度約36,000km)に比べて地球に近いため、電波の往復時間を短縮できます。Starlinkの公称値では、陸上での通信遅延は25〜60ms程度とされており、動画視聴やWeb会議にも対応できる通信品質です。
圧倒的なカバーエリア
地上の基地局に依存せず、上空の衛星から電波を届けるため、山間部・離島・海上・航空機内など、基地局を建てられない場所でも通信を確保できます。
高い耐災害性
地上の基地局や固定回線とは異なる通信経路を利用するため、地震などで地上インフラが被害を受けても影響を受けにくく、通信インフラの二重化として機能します。
LEO衛星通信の代表例はSpaceX社のStarlinkです。このほかにもSoftBankが提携するOneWebや、Amazon社のAmazon Leo(旧Project Kuiper)など、複数の事業者がサービスの展開や整備を進めています。
日本では、総務省が主導する「自律性確保に向けた低軌道衛星インフラ整備事業(J-LEO)」により、国内で運用・管理できる低軌道衛星インフラの整備が進められています。
令和7年度補正予算で1,500億円が計上された事業で、2026年6月30日には、基金設置法人である情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)が、RAST株式会社を申請代表、楽天モバイル株式会社を共同提案者とする提案を間接補助事業者として採択しました。J-LEOでは、2028年度中のスマホと衛星の直接通信サービス開始を目標としています。
インターネットは不要で、同行者との連絡手段だけ確保したい場合に適している手段です。契約も不要で、電波が届く範囲であれば音声で素早く連絡を取り合えるのが特徴です。
特定小電力トランシーバー
免許も登録も不要で、購入すればすぐに利用できます。通信距離は、メーカー公称で市街地約100〜200m、見通しの良い場所では1〜2km程度が目安です。キャンプ場内やイベント会場、少人数の登山パーティーに向いています。
デジタル簡易無線(登録局)
無線従事者の資格は不要ですが、利用前に無線局の登録手続きや電波利用料の納付が必要です。申請は電子申請システムからも行なえます。包括登録の場合は運用開始から15日以内の開設届を提出してください。通信距離は最大で5~10kmほどで、登山・業務現場・防災用途など幅広い場面で利用されています。
アマチュア無線
利用するには、無線従事者資格を取得し、無線局の免許を受ける必要があります。条件によっては長距離通信も可能ですが、業務連絡や営利目的の通信には利用できません。
無線機は、同行者同士で確実に連絡を取りたい場面に適しています。ただし、相手も同じ通信方式や周波数帯に対応し、チャンネルなどの設定を合わせた無線機を使用している必要があります。また、山の反対側や深い谷では通じない場合があるため注意が必要です。
さらに、無線機だけでは、救助機関へ確実に連絡できるとは限りません。「同行者との連絡は無線機、外部へのSOSは衛星通信」というように、役割を分けて備えると安心です。
利用前には、チャンネルや呼び出し方、連絡が途切れたときの集合場所も決めておきましょう。
メッシュ通信は、端末同士が受信したデータを中継(リレー)しながら通信範囲を広げる方式です。代表例として、BluetoothメッシュやLoRaメッシュ(Meshtasticなど)があり、携帯回線がなくても対応端末同士でテキストや位置情報を共有できます。
消費電力が小さく、契約も基地局も不要という点が大きな特徴です。登山グループでの位置共有や災害時の簡易的な情報共有に向いています。中継する端末が適切に配置されることで、通信範囲を広げられます。
国内でMeshtasticなどのLoRaメッシュ通信を利用する場合は、電波法への適合を確認する必要があります。920MHz帯を利用するには、日本の技術基準に適合し、技適マークが付いた機器を使用しなければなりません。海外向けのMeshtastic対応デバイスは、日本の周波数や技術基準に適合していない場合があるため、そのまま使用すると電波法に抵触するおそれがあります。
購入前には、技適マークの有無を必ず確認してください。また、通信には対応する規格・プロトコルの端末同士が必要です。中継してくれる端末が周囲にいなければ届く距離は限られます。
LANケーブルや光ファイバー、電話線、インターホンなどの構内通信設備は、地下・建物内・トンネルなど電波が届きにくい場所で有効です。特に「建物までは通信回線が来ているものの、建物の内部だけ電波が弱い」というケースで効果を発揮します。
また、携帯電話がつながりにくい屋内であれば、通信事業者が提供する屋内用の小型基地局や中継装置を導入する方法もあります。個人宅や店舗でも設置できるため、恒常的に電波が弱い場所では検討するとよいでしょう。
災害時やイベント時には、車載基地局、可搬型のLTE/5G基地局、Starlinkをバックホール(上位回線)として利用する臨時Wi-Fiを活用する方法もあります。避難所や現地対策本部でも、通信環境を短時間で構築できる点が特徴です。
ただし、これらはおもに自治体や通信会社・企業が用意するもので、個人が単独で準備するものではありません。事業所や自治体の防災計画では、地上回線が断たれた場合に備えてStarlinkなどの衛星回線を常設または可搬設備として導入し、通信経路を二重化する取り組みも進められています。
PLB(携帯用位置指示無線標識)や、船舶に搭載する衛星非常用位置指示無線標識(EPIRB)は、人工衛星経由で遭難信号と位置情報を送信する機器です。音声やテキストでの通信はできませんが、起動により救助機関に自分の位置を知らせる手段として利用されています。
注意したいのは、日本ではPLBが電波法上の「遭難自動通報局」に該当し、無線局免許(有効期間5年)が必要な点です。さらに、用途は海上に限られ、山・湖・川・上空では使用できません。海外の登山ではPLBが一般的な装備として紹介されることがありますが、日本では利用できないため注意が必要です。
日本の山岳で同様の役割を担う手段としては、次の3つがあります。
前の2つは「自分から救助を要請する」ための手段、最後の1つは「自分が操作できない状況でも発見してもらう」ための手段です。それぞれ役割が異なるため、単独行や冬山では組み合わせて備えると安心です。
インターネットを本格的に使いたい
⇒アンテナ設置型の衛星通信(Starlink)が適しています。拠点に高速なインターネット環境を構築できます。
圏外での連絡や位置共有を手軽に確保したい
⇒スマホ直結型(au Starlink Direct)が導入しやすい選択肢です。
万一のときの救助要請だけ備えたい
⇒スマートフォンの衛星SOS機能や衛星コミュニケーター、海上ならPLBが候補になります。
同行者との連絡だけでよい
⇒無線機やメッシュ通信が向いています。
屋内・地下の圏外対策
⇒有線通信や、屋内用の小型基地局・中継装置が有力な選択肢です。
実際には1つの通信手段だけに頼るのではなく、用途に応じて組み合わせて備えるのが一般的です。代表的なシーンごとの例をまとめました。
シーン | 主軸となる手段 | 組み合わせたい備え |
登山・トレッキング | スマホ直結型の衛星通信 | オフライン地図、捜索支援サービス、パーティー内の無線機 |
車・バイクでの林道走行 | スマホ直結型の衛星通信 | オフラインマップ、複数台での無線機、ロードサービス連絡先 |
海・離島 | スマホ直結型の衛星通信 | 船舶用のEPIRBやPLB(免許取得が必要)、衛星電話 |
自宅・家族の防災 | スマホ直結型の衛星通信(基地局停止時の予備手段) | モバイルバッテリー、緊急速報メール、災害用伝言板の使い方確認 |
事業所・自治体の拠点 | アンテナ設置型の衛星通信 | 可搬型基地局、臨時Wi-Fi、有線回線との二重化 |
専用の衛星通信端末を持っていない個人にとって、最も導入しやすいのは、普段使っているスマートフォンが直接衛星と通信するタイプです。日本では、au Starlink Directがこれに該当します。
専用アンテナや衛星電話を新しく購入する必要がなく、対応機種であれば追加の機材なしで圏外対策が可能です。auの利用者であれば、利用開始の手続きなしで使えるケースもあります。
さらに2026年5月28日からは「au Starlink Direct SOS」の提供が始まりました。圏外から送信したSOSを24時間365日、SOSセンターが受理(※2)し、警察・消防・海上保安機関といった緊急通報受理機関へ通報(※3)します。山や海、災害時の緊急通報手段としても機能しています。
ただし、利用にはいくつか条件があります。空が見える場所であること、対応機種(※4)であること、au 5G/4G LTEのエリア外であること、アプリとOSが最新であることです。アプリの更新や操作手順の確認は、必ず通信できる場所で事前に済ませておきましょう。
Starlink本体の仕組みや料金、使い方の詳細は関連記事で解説しています。
圏外で利用できる通信手段は、大きく衛星通信、無線機・トランシーバー、メッシュ通信、有線通信、緊急用ビーコンの5種類に分類できます。そのうち衛星通信は、アンテナ設置型、スマホ直結型(一般向け)、スマホ直結型(緊急SOS向け)、専用端末型の4タイプに分けられます。
選ぶ際は、「誰と連絡したいか」「何をしたいか」「空が見えるか」の3つを基準に考えると、候補を絞り込みやすくなります。空が見える屋外ならスマホ直結型の衛星通信、拠点にインターネット環境が必要ならアンテナ設置型、同行者との連絡だけなら無線機やメッシュ通信、地下や建物内なら有線通信がよいでしょう。
どの手段にも、それぞれ利用条件と弱点があります。大切なのは、1つの方法だけに頼り切らず、役割の異なる通信手段を組み合わせて備えることです。また、出発前や災害発生前など、通信できるうちに設定や操作を確認しておくことも欠かせません。この2つを意識しておくことが、圏外対策では何より重要です。