公開日:2026/10/29
普段スマホを使っていて「急に通信が遅くなった」「電波は立っているのにつながらない」と感じたことはないでしょうか。そんな時は、つながらない原因を「通信側の問題」と「スマホ側の問題」に切り分けて対応することが大切です。地下や建物の中など場所による電波環境の影響、駅やイベント会場などでの通信の混雑など、原因は1つではありません。
この記事では、スマホがつながりにくい時に確認したいポイントと、今すぐできる対処法を紹介します。さらに、利用者自身では解決が難しいケースについて、auが進めている5Gネットワークの整備や混雑時のスポット対策、圏外エリアへの衛星通信といった取り組みまで解説します。
目次
スマホがつながりにくくなる原因は、大きく次の2つに分かれます。
それぞれ原因が違うため、対処の仕方も変わります。順に見ていきましょう。
地下鉄の駅やホームでは使えていたスマホが、トンネルに入った途端につながりにくくなる。そんな経験がある人もいるでしょう。地下は周囲を土やコンクリートに囲まれているため、基地局からの電波が届きにくい環境です。そこで地下鉄のトンネルでは、電波を伝えるための漏洩同軸ケーブルやアンテナなどの設備が使われています。地下でも通信できるよう、電波を届ける仕組みが整えられているのです。
地下街や地下駐車場、鉄筋コンクリートの建物の奥、高層ビルなども、同じように電波が届きにくくなります。電波の届き方は場所だけでなく、使われる周波数帯によっても変わります。5Gではミリ波・Sub6・NR化という3種類の周波数が使い分けられており、高速・大容量の通信ができる周波数ほど、建物や壁などの障害物の影響を受けやすい性質があります。
新幹線などでは、移動していること自体も通信に影響します。スマホは走行中、場所に応じて接続する基地局を切り替えており、この切り替えを「ハンドオーバー」と呼びます。高速移動中は短時間で切り替える必要があるため、区間や電波環境によって一時的に通信が不安定になります。電車の中でつながらない時は、今いる場所に目を向けると原因を切り分けやすくなります。
電波が十分に届いていても、通信が遅くなることがあります。その代表的な原因が、利用者が集中することによる回線の混雑です。朝夕の通勤時間帯の駅や昼休みのオフィス街、ライブや花火大会などのイベント会場では、同じエリアで普段よりも多くの人が通信します。通信利用者が1つのエリアに集中することが回線の混雑の要因となり、Webページの表示や動画の読み込みに時間がかかります。
ここで覚えておきたいのが、アンテナマークの本数と通信の速さは比例しないということです。アンテナがしっかり立っていても、通信する人が多ければ通信速度は遅くなります。「いつもは快適なのに、通勤時間になると急に遅くなる」「イベントの日だけスマホがつながりにくい」という場合は、混雑が原因の可能性があります。
つながりにくさを感じたら、次の3ステップで順に確認していきましょう。
STEP1:その場でできる5つの対処を試す
STEP2:スマホの設定を確認する
STEP3:端末以外に原因がないか確認する
まずは、通信をリセットしたり、電波環境を少し変えたりしてみましょう。
1.モバイルデータ通信がONになっているか確認する
Wi-Fiを使っていない時にインターネットへ接続するには、モバイルデータ通信が必要です。意図せずOFFになっていないか確認しましょう。
2.機内モードをONにして、数秒後にOFFにする
機内モードを一度ONにすると、通信機能が切断されます。その後OFFにして再接続することで、一時的な通信の不具合が改善する場合があります。
3.スマホを再起動する
一時的な端末の不具合が原因なら、再起動によって改善することがあります。電源を切り、再度起動して通信できるか確認してみましょう。
4.Wi-Fiを一時的にOFFにする
「インターネットにつながらない」と思っていても、実は接続しているWi-Fi側に問題がある場合があります。Wi-Fiを一時的にOFFにして、モバイルデータ通信でつながるか確認してみましょう。
5.数メートル移動する、窓側へ寄る
電波は、少し場所を変えるだけでも状況が変わります。地下や建物の中なら、窓や出入口に近い場所へ移動してみるのも1つの方法です。
その場でできる対処を試しても改善しない場合は、端末側の状態を確認します。
1.SIMカードの状態を確認する
SIMカードを利用している端末では、SIMカードの接触状態が通信に影響する場合があります。SIMカードを取り出す場合は、端末の電源を切るなど、メーカーの案内に従って作業してください。
2.ソフトウエアをアップデートする
OSや端末のソフトウエアが古い場合は、アップデートによって不具合が改善することがあります。必要に応じてデータのバックアップも確認しておきましょう。
3.ネットワーク設定をリセットする
通信に関する設定に問題がある場合は、ネットワーク設定のリセットが有効なことがあります。ただし、リセットすると保存していたWi-Fiのパスワードなどが消去され、再設定が必要になります。実行する前に、必要な情報を確認しておきましょう。
端末の設定を確認しても改善しない場合は、通信サービス側や周囲の環境に原因がないか確認します。
1.月額データ容量を確認する
契約している料金プランのデータ利用量を確認しましょう。プランのデータ容量を超えると、通信速度が制限される場合があります。
2.通信障害・メンテナンス情報を確認する
自分だけでなく周囲でも同じような症状が起きている場合は、通信事業者側の障害やメンテナンスが原因かもしれません。auは電波がつながりにくい・通信が遅い時の案内ページで、原因の切り分け方法と最新の障害情報への導線をまとめています。
3.別の端末でも同じ症状が出るか確認する
同じ場所にある別の端末でもつながりにくいか確認してみましょう。その場所にいるほかの人や複数の端末で同じ症状が出るなら、場所や通信環境側の問題である可能性があります。
スマホがつながりにくくなる原因には、利用者自身では解決できないものもあります。auは通信事業者側の対策として、次の4つに取り組んでいます。
利用者が集中しても通信を支えられるよう、auは5Gネットワークの整備や基地局設備の高度化を進めています。その1つが5G SA(スタンドアローン)です。5G SAは、コア設備や基地局なども含めて5G専用の技術・設備で構成する通信方式で、混雑しやすい4G通信をベースにしないため、4G LTEの混雑状況 によらず5G通信を利用できます。auは2024年11月に、全国のSub6エリアで5G SAを利用できる設定を完了しています。
Sub6とは5Gの周波数帯の1つで、高速・大容量通信に利用されています。人が多く集まる場所での通信容量を高めるため、複数の周波数を同時に扱える基地局装置「DB-MMU」も活用しています。こうした設備の強化は、普段の通信品質を支えるだけでなく、駅や商業施設、イベント会場など、人が一時的に集中する場所でより多くの通信を支えるための土台にもなります 。
花火大会や音楽フェスなどの大規模イベントでは、待ち合わせの連絡やスマホ決済、SNSへの投稿など、スマホを使う機会が普段より増えます。こうした一時的な通信量の増加に対応するため、auは混雑が予想される場所や時間帯を想定して、基地局の調整や車載型・可搬型の基地局の設置を行っています。さらに、イベント会場などで利用が集中する状況に対応する「au 5G Fast Lane」の取り組みも進めています。
普段からある基地局の設備を増強するだけでなく、イベントなどで一時的に人が集中する場所にも、その状況に合わせた対策を行う。この2段構えによって、急に利用者が増える場面でも通信を支えています。
基地局からの電波が届かない山間部や海上などでは、そもそも地上の携帯電話ネットワークに接続できません。こうした圏外エリアへの新しい通信手段として、auは2025年4月からau Starlink Directを提供しています。
au Starlink Directは、地上の基地局を介さず、対応するスマホとStarlink衛星が直接通信する仕組みです。※1空が見える場所であれば、圏外※2の登山道や林道でもメッセージの送受信や位置情報の共有ができます。圏外からのSOSを専用センターが受信し、警察・消防・海上保安庁へ直接つなぐ緊急通報にも対応しています。 登山やアウトドアなど圏外になる可能性がある場所で連絡手段が確保できることは、安心と安全につながります。
通信品質は、基地局を建てたら終わりではありません。auは基地局を24時間365日体制で監視し、利用状況や設備の状態を確認しながら、通信ネットワークを継続的に管理・調整しています。
実際にスマホを使っている人から寄せられる声も、通信環境を改善するための重要な情報になります。たとえば「自宅のリビングだけつながりにくい」「駅のホームの特定の場所で毎朝つながりにくい」といった情報です。特定の場所で繰り返し通信に困っているなら、電波サポート24から電波改善を相談できます。自宅や勤務先の電波状況は、専用機器の設置(※有料)で改善できる場合があります。
相談する際は、「つながらない」とだけ伝えるよりも、どこで、いつ、どのような状態になるのかを具体的に伝えてください。場所や時間帯、状況が具体的であるほど、通信環境を確認する際の手がかりになります。スマホの設定を確認しても改善しない時は、通信トラブルが起きる状況を伝えることも改善への一歩です。
スマホがつながりにくい時は、端末の不具合だけでなく、地下や建物の中など場所による電波環境の影響や、満員電車・イベント会場などで利用者が集中することによる通信の混雑など、複数の原因が考えられます。まずは身近な設定や環境を確認し、それでも改善しない場合は通信障害やエリアの状況もチェックしてみましょう。特定の場所や時間帯で繰り返し起こるなら、通信事業者に相談するのも1つの方法です。
いつも何気なく使っているスマホの「つながる」には、5G SAのような設備の整備から、イベント時のスポット対策、圏外エリアへの衛星通信まで、場所や状況に応じた仕組みと工夫があります。知っておくことで、いざという時にも落ち着いて対処できるはずです。