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ドローンレースで5G体験! スポーツやエンタメの楽しみ方はこう変わる

2019.11.29

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11月2日に東京モーターショー内で開催された国際的ドローンレース・カンファレンス「FAI Drone Tokyo 2019 Racing and Conference」(以下 「DTRC2019」)の決勝大会。

KDDI、KDDI総合研究所はドローンを活用した4Kリアルタイム中継や、YouTubeでの高画質な映像配信といった第5世代移動通信システム5Gのプレサービスを提供した。

この舞台で展開した、5G時代にスポーツ・エンターテインメント分野で楽しめる新しいリアル体験を紹介していく。

5Gで超低遅延の4Kリアルタイムによるレース中継を実現

「DTRC2019」にて行われた新しいリアル体験のひとつめは、ドローンを使った中継。開発したばかりの超低遅延4K伝送システムを搭載した撮影用ドローンが「DTRC2019」に出現した。

撮影用ドローンと同型の見本
※画像は撮影用ドローンと同型の見本

4Kカメラと4Kの伝送装置、5Gタブレットを搭載したこのドローンはレースの模様を俯瞰で撮影。わずか数十秒で決着がつくドローン同士の戦いを、4Kの鮮明な映像かつ、リアルタイムで会場の大型モニターに5Gで中継した。

KDDI総合研究所 超臨場感通信グループ グループリーダーの内藤整に、今回のドローンに用いた、KDDI総合研究所が新たに開発した超低遅延4K伝送システムについて聞いた。

「従来の中継では、リアルな動きに対してモニターに映る映像には0.5秒の遅延がありましたが、今回のシステムではそれを0.1秒まで縮められたということが大きな進化です。

ドローンに搭載している映像を圧縮する工程と、受信側で圧縮されたものを元に戻す工程のアルゴリズムを工夫したことと、5G回線の特性を分析し、伝送遅延に影響を及ぼす原因を特定、改善したことで、これまでは止むを得ず発生していた遅延を約1/5に抑えることに成功しました」(内藤)

このスピードは、ドローンによる4K映像無線中継として世界最小遅延(2019年10月15日時点、KDDI総合研究所調べ)というほど。

「DTRC2019」は観客席をL字に取り囲む形でレースのコースが設置され、夜空に映える光に照らされたドローンがそのスピードを競った。

その鮮やかさにスタート時はどよめきが起きたが、ドローンの小ささやスピードといった関係上、どれだけ僅差で競っているかというところは客席からはどうしても掴みづらい。

写真中央の青、赤、緑の光るラインがドローン本体。各色のLEDライトを搭載することで、何とか視認できる状況
写真中央の青、赤、緑の光るラインがドローン本体。各色のLEDライトを搭載することで、何とか視認できる状況

そんな場面でも、この超低遅延中継による映像が大型モニターに映し出されることで、観客は周囲のコースと遅延のない映像の両面からレースの状況を把握することができるのだ。

ドローンを使った中継の様子

このシステムは、ハイスピードで競うドローンレースはもちろん、さまざまなスポーツの観戦などで活かすことができそうだ。

5Gで4K高画質によるYouTube配信を実現

もうひとつの体験は、5Gによって変わる「ライブ配信」について。来場できず映像で楽しむ方、来場して配信をしたい方、来場して映像とともに楽しみたい方といった、イベントの楽しみ方が多様化している中での5Gの活用法だ。

「最近、ライブ配信をされる方がすごく増えてきましたが、5Gが開始されれば屋外からでも、4Kでの配信ができるようになります。

視聴する側も、これまでは外で4Kを見ることは難しかったのですが、今後5Gや4K対応のスマートフォンが出てくることで、いつでもどこでも4Kの映像を楽しむことが当たり前になってきます」(松木)

KDDI 経営戦略本部 次世代基盤整備室 3G マネージャー 松木友明が語るこんな未来を踏まえて、5Gの映像をYouTubeでリアルタイム配信するという企画を実施した。

梶原雄太(キングコング)としても著名な、現在YouTuberとして活躍の場を広げるカジサックと、ドローン資格認定機関DPAの「ドローン操縦士 回転翼3級」を持つ永島聖羅が、カジサックのYouTubeチャンネルを通し、会場から5Gでのライブ配信を行った。

永島聖羅、カジサック
永島聖羅、カジサック
永島聖羅、カジサックによるYouTube配信の様子

ふたりはライブ配信でレースの様子を伝えたり視聴者からの質問に答えたりしながら、時にはステージに登壇。その様子も配信から楽しむことができた。

永島聖羅、カジサックによるYouTube配信の様子

現場で目まぐるしく変わる臨場感あふれる様子を、これまでは難しかった屋外からの高精細な4K映像で配信した。会場内にも、レースを見ながら手元のスマートフォンでライブ配信を楽しむ観客の姿が見受けられた。

今回は会場内でのビジョン(ドローンでの中継)、スマートフォンなどのデバイス(YouTube配信)という、ふたつの側面から5G体験を提供した。これは「発信する」「視聴する」どちらの側面からも、より鮮明に、より快適になるという5G体験だった。

今後もKDDIでは、大量のデータを瞬時にストレスなく自由に扱うことができる、従来の制約から解放された5G時代の「UNLIMITED」な時代の到来を控え、いち早く拡張(=AUGMENT)した新しい体験を提供していく。

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