日本vsアジアの結末は?eSPORTS国際チャレンジカップでプロゲーマーのプライドがぶつかり合う

去る1月26日と27日、日本選抜チームとアジア選抜チームが4つのゲームで争うeSPORTS国際チャレンジカップが開催された(ゲームファンとゲーム大会の祭典である闘会議2019、アーケードゲーム展示会のジャパンアミューズメントエキスポ2019と併催)。

eSPORTS国際チャレンジカップは日本eスポーツ連合(JeSU)とアジアeスポーツ連盟による共催で、日本とアジアのeスポーツシーンを繋ぐことを目的としたもの。種目にはシューターゲーム『オーバーウォッチ』、格闘ゲーム『鉄拳7』と『ストリートファイターV アーケードエディション』、サッカーゲーム『ウイニングイレブン 2019』が選ばれた。

世界中で、そして日本でも盛り上がるeスポーツの波をより大きくしていくための土台作りとして期待がかかった2日間となったが、日の丸を背負った日本選抜チームはどのような勇姿を見せてくれたのだろうか。その様子と結果をお届けする。

日本の選手が国際大会でユニフォームに日の丸を輝かせる機会はまだまだ多くない

国内最強チームのJUPITERが快勝 ファンの熱視線が注がれた『オーバーウォッチ』

初日の最初に行なわれた種目はシューターゲームの『オーバーウォッチ』。本作は6人対6人で対戦する。それぞれのプレイヤーが固有のスキルを持つヒーローと呼ばれるキャラクターを操り、敵の攻撃を凌ぎながら拠点を制圧または防衛したチームが勝利となる。そのため、個人技だけでなくチームワークを活かした多様な戦術が見所となる。

日本選抜チームには国内最強と名高いJUPITERが登場。メンバーはta1yo選手、Sabagod選手、rayu選手、CLAIRE選手、AmeKen選手、SamuraiD選手と、さまざまなチームで活躍してきた、世界でも評価の高いトッププレイヤーばかりだ。

経験豊富なJUPITERのメンバーだが、やや緊張がうかがえる

対するは、タイの最強チームでアジア全体でも強豪と名指されるほどのXavier Esports。Overwatch Contendersというアジア地域のチームが出場できる大会ではJUPITER同様に優れた成績を残しており、簡単には勝てない相手である。15歳から20歳までという非常に若いメンバー、thk選手、QueEn選手、Olivier選手、Patiphan選手、THITIKORN選手、Tae選手が立ちはだかることとなった。

試合はどちらが勝ってもおかしくない攻防が繰り広げられた。『オーバーウォッチ』はヒーローの能力が何度も調整され、そのたびに強力なヒーローや有利な戦術が目まぐるしく変わっていく。さらに相手チームがどのような戦術を使うかは事前に分からないうえ、試合展開も早い。そうした環境に対応し、見事勝利を収めたのはJUPITERだった。

試合を実況・解説していたキャスター陣も大興奮

この試合はeSPORTS国際チャレンジカップに挑む日本選抜チームに勢いをもたらす1戦となった。そして実は、『オーバーウォッチ』を日本でもっと盛り上げていきたいというプレイヤーやファンの熱い視線が注がれた試合でもあったのだ。JUPITERが世界を舞台に活躍すれば、その勢いは必ず日本のシーンへと還元される。JUPITERにとってもファンにとっても、本大会は大きな糧となったのではないだろうか。

試合が終われば両チームともに健闘を称え合う

日本選抜決定戦だけでも熱い 国内外で日本人プロが活躍する『鉄拳7』

次に行なわれた種目は、格闘ゲームとして長い歴史を持ち、累計販売本数が4700万本に達する『鉄拳』シリーズの最新作である『鉄拳7』。日本やアジアでは特に愛されており、いまも次々に若手のプレイヤーが参戦している。eスポーツを語るうえでは欠かせないゲームの1つだ。

本種目のみ、日本選抜チームは11人のプロゲーマーによる予選の結果から選ばれることになっていた。予選は『オーバーウォッチ』の試合と並行して隣のauブースで行なわれたのだが、予選自体が実質的に日本一決定戦、誰が勝ってもおかしくない。結果としては、ぺこス選手、タケ。選手、チクリン選手が見事に勝ち残った。しのぎを削り合ったプロゲーマーたちが、次の瞬間には日本代表としてチームメイトになり、アジア選抜チームと戦うことになったのである。

普段はライバル同士でも、この場ではサポートし合う

アジア選抜チームはフィリピンのAK選手、サウジアラビアのSora選手、タイのBook選手。Sora選手とBook選手は2018年にいきなり国際大会で目覚ましい成績を残したことで知られている。AK選手は13歳のときに世界大会に出場、18歳になった現在もフィリピン最強の1人と名高い。

実は日本選抜の3名とも、アジア選抜のメンバーにそれぞれ手痛い敗北を喫した因縁がある。今回はその雪辱を晴らす試合となるだろうという声もあった。観客を湧かせる激闘の末、日本選抜チームは3-0と終わってみれば完勝。今後も『鉄拳7』で彼らが活躍する弾みをつける1戦となった。

どの種目でも試合後に国歌斉唱がなされた

金メダルコンビ再び アジアの壁を超えた『ウイニングイレブン 2019』

2日目の最初に行なわれた種目がサッカーゲームの『ウイニングイレブン 2019』だ。シリーズとして歴史が長いだけでなく、モバイル版もリリースされており、一度はプレイしたことのある人も多いのではないだろうか。

日本選抜チームは、2018年に開催されたアジア競技大会の同ゲーム部門で金メダルを獲得したレバ選手とSOFIA選手のコンビと、東京ゲームショウ 2018で実施された大会で優勝したチームの1人であるShiro選手。アジア選抜チームは香港のCharles_ng選手、韓国のShagamoon 選手、タイのScarlet 選手だ。

再び日本代表となって国旗を支えるレバ選手(右)

試合は、1戦目をShiro選手が落としてしまう。前半でShagamoon選手を圧倒していただけに意外な結末となった。2戦目はチーム戦で行なわれ、リードを守りきった日本選抜チームが勝利。3戦目に登場したレバ選手はさすがの立ち回りで快勝。日本選抜チームの逆転勝利となった。

SOFIA選手はアジア競技大会のあと2019年4月をもって競技プレイヤーとしての現役引退を発表していた。今回、その残り少ない貴重な時間を華々しく彩ることができたと言えるだろう。今後もレバ選手やShiro選手がさらに多く世界で活躍することを期待したい。

ゲームを介していろんな国に友人ができるのは素敵なことだ

日本最強とアジア最強、白黒をつけよう スターが揃った『ストリートファイターV アーケードエディション』

eSPORTS国際チャレンジカップの最後を飾ったのが、特に日本では人気が高い格闘ゲームの『ストリートファイターV アーケードエディション』だ。本作には世界大会で何度も優勝するようなプロゲーマーが数多くひしめき合っており、開催が発表された段階から誰が選抜されるのかが話題となった。

観客の応援にも熱が入っていた

今回日本選抜チームとして大会に臨むことになったのは、国際大会での優勝経験も豊富なプレイヤーたち。世界最強の称号を得たこともある東大卒プロゲーマーとして名を馳せるときど選手、同じく世界最強を経験し戦車と呼ばれるように対戦相手をなぎ倒していくふ~ど選手、兼業プロゲーマーでありながら最前線で活躍し続けてきたネモ選手と、いずれも間違いなく最強の3名だ。

対するアジア選抜チームも実績では負けていない。韓国のNL選手、台湾のOil King選手、香港のHumanbomb選手(ホンコン、チャイナ)と、日本選抜チームのメンバーと幾度となく死闘を繰り広げたメンバーが揃った。どちらが勝つかはまったく予想しがたかった。

チームメイトからのアドバイスや声援も大きな力になる

だが、蓋を開けてみれば日本選抜チームがほとんど試合を落とすことなくアジア選抜チームを圧倒。アジア選抜チームのファンも日本には多いため、日本選抜チームに特別大きな地の利があったわけでもないだろう。普段からともに切磋琢磨している日本のチーム力が相手を上回ったのかもしれない。

こなれた佇まいで勝利インタビューに応えるときど選手

日本代表が4-0でアジア選抜に全勝!

日本とアジアの架け橋とするべく開催されたeSPORTS国際チャレンジカップは、4種目とも日本の勝利でまさに完勝。国内でのeスポーツシーンはまだ始まったばかりで、日本のプレイヤーはアジアや世界ではなかなか勝てないと言われることもあるが、そうした評価を見事に蹴散らす結果となった。

JeSUの会長である岡村秀樹氏によれば、今後は本大会を土台としてアジアを舞台とした国際大会をより多く大規模に開催していくという。ますます盛り上がっていく日本のeスポーツシーンに、ぜひ注目してもらいたい。