名古屋グランパス×auスペシャルマッチデーで5Gによる新しいサッカー観戦体験が本格始動!
2020年9月26日(土)に開催された2020明治安田生命J1リーグ第19節「名古屋グランパス対清水エスパルス戦」で、名古屋グランパスはこれまでにない新たなサッカー観戦が体験できるJリーグ初の取り組み「auスペシャルマッチデー」を実施した。
試合観戦における最大の目玉は「au 5G体感シート」だ。名古屋グランパスのホームグラウンドである豊田スタジアムのメインスタンドは、2020年2月からKDDIが5Gエリア化を行い、「au 5G体感シート」が中央に設置された。このシートは通常座席よりもゆったりと座りながらピッチ全体を俯瞰できるハイエンドな空間となっており、全席に電源が配備されているのでスマートフォンを充電しながら試合を観戦することができる。






「au 5G体感シート」で新感覚の観戦体験を提供
「au5G体感シート」では、選手個人の走行距離など試合に関するデータもリアルタイムで配信されるので、常に変化する選手のコンディションやパフォーマンスを把握しながら、試合展開をより詳細に楽しめる工夫が凝らされていた。
また、名古屋グランパス独自のスタジアム設置カメラにより、5Gならではの新しいスタジアム観戦体験を楽しむことができた。
詳しくは、名古屋グランパスのWEBサイトに掲載されているのでご覧いただきたい。
スタジアムまでの道のりとスタジアム場外にもAR装飾が登場
そして、新しい観戦体験が提供されたのはスタジアムの中だけではなかった。近隣の駅からスタジアムまでの道のりと、スタジアムの場外にもVPS技術を活用し、人気選手やクラブマスコット・グランパスくんのAR装飾を登場させた。
VPSとはVisual Positioning Service(ビジュアル ポジショニング サービス)の略称で、従来のGPSの発展系と位置付けられている技術。現実世界のデジタルツインとなる3Dマップ(3Dメッシュ)と、スマートフォンやスマートグラスに搭載されたカメラ越しの画像とを照合し、向きや方位を含む高精度な位置情報を特定することができる。
ARとはAugmented Reality(アグメンテッド リアリティ)の略称で、拡張現実と訳される。実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を仮想的に拡張する。
何だか難しそうに感じるかもしれないが、簡単に説明すると、専用アプリをスマートフォンにダウンロードしてカメラを向けると、実際の風景の中に選手やマスコットの巨大ARパネルが浮かび上がるのだ。


豊田市駅前の3カ所と豊田スタジアムの4カ所の計7カ所に、目印となるAR案内看板を設置。来場者がスマートフォンをかざし、AR装飾を楽しみながらスタジアムへと向かうことで、試合前から観戦気分を盛り上げた。


参加者のシュートフォームをAIで解析するブースを設置
スタジアムに到着してからも、来場者が楽しめるアトラクションが盛りだくさん。場外に設置された「キックフォームスコアゲーム」ブースでは、参加者のシュートフォームをAIが解析し、名古屋グランパスの現役選手5名の中から誰のフォームに似ているか診断してくれる。


このブースはKDDI総合研究所の「スポーツ行動認識AI」が活用されており、名古屋グランパスU-18コーチ吉村圭司氏の監修により、フォームや動きのクセを元に、太田宏介選手、前田直輝選手、阿部浩之選手、マテウス選手、青木亮太選手の中から誰に似ているかを約30秒で識別。スピードランキングやトータルスコアも表示された診断結果をプリントアウトしてもらえるので、子どもも大人も参加し、大いに盛り上がっていた。


同じく場外に設置された「フォトブース」では、宮原和也選手(左)と中谷進之介選手(右)の等身大パネルと一緒に記念写真が撮れるので、多くの親子連れでにぎわっていた。


「キックフォームスコアゲーム」ブースは試合終了直後まで設置されており、試合観戦の興奮冷めやらぬ中、自らが選手になりきって大勢のサポーターに楽しんでもらった。また、スタジアムに向かう際はAR装飾に気づかなかった人も、スタジアム周辺でAR装飾の仕組みを理解し、試合後の帰り道にAR案内看板を見つけてカメラをかざしていた。
こういった取り組みにより、試合前の移動中から試合後の移動中まであらゆる場面で楽しめる新しい観戦体験を提供したことになる。
自宅からスタジアムに声援を送れるライブチャットを実施
さらに驚くのは、スタジアムへ応援に行けないサポーターにも新しい観戦体験を提供したことだ。自宅で試合を観戦しているファンには、名古屋グランパス公式アプリを経由し、仲間同士で一緒に応援できるビデオチャットを実施。試合前は選手が乗っているバスが到着するシーンやトレーニング風景の映像を配信し、試合が始まったらライブチャットでチームや選手に声援を送ることができる。
そして、チャットの映像をスタジアムの大型ビジョンやLED看板に映し出し、自宅にいながらもスタジアムで応援しているような感覚が味わえる趣向が凝らされた。スタジアムに来場したサポーターに加え、自宅観戦したファンも含めると、延べ1万人以上が新しい観戦体験に参加した。


今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、Jリーグは開幕直後に中断。その後、7月4日(土)からJ1リーグが再開されたが、再開当初はスタジアムの入場者数は最大5000人だった。
9月19日(土)以降になってようやく入場者数制限の段階的緩和の方針に基づき、入場可能数の50パーセントが上限となったが、スタジアムへ応援に行きたくても行けないファンはまだまだ多い。
これからもしばらくは安全・安心を十分に考慮しながらチームを応援せざるを得ない状況の中、5Gの最新技術を活用することで新しい観戦体験の選択肢が広がるのはファンにとって本当にありがたいことだ。
文:保井友秀
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