2022 SUPER GT REPORT 第4戦 富士スピードウェイ

2022 SUPER GT REPORT
第4戦 富士スピードウェイ < 予選 >

2022年8月6日(土) 来場者:18,600名  
天候:曇り

2ヶ月のインターバルを経てSUPER GT第4戦の舞台は今シーズン2回目の富士スピードウェイ。各地で猛暑の情報がある中、予選日の朝からサーキット周辺は霧に包まれ、気温はこの季節にしてはかなり低かった。練習走行の9時を迎える直前まで走行が危ぶまれるほどの濃霧。しかし幸いにも霧は晴れ、無事に練習走行が行われた。TGR TEAM au TOM'S 36号車は、坪井 翔が乗り込んでセッティングのチェックとタイヤの選択を行い、ジュリアーノ・アレジがそれを確認。4戦目でアレジもだいぶGT500クラスマシンに慣れて、坪井とのタイム差も少なくなってきた。ここまで全戦でポイントを獲得している36号車は予選上位のポジションを目指し、二人がアタック。結果として6番手グリッドを得て450km、100周の決勝をスタートすることとなった。

  • ・ 36号車の獲得ポイントは13.5点でランキング7位。サクセスウエイトは27kg。30kg以下だとウエイトエフェクトはそれほどではない。
  • ・ 持ち込みセッティングは、午前中の練習走行で確認。方向性は良く、走行後の修正はほとんど必要がない状況だった。予選に向けても順調にプログラムを消化することができた。
  • ・ Q1を坪井が担当。予想よりもかなり気温、路面温度が低く、タイムアタックまでのウォームアップに多くの周回数を要した。
  • ・ 本来この季節の予選アタックは、コースイン後2周目、3周目だが、今回は十分なウォームアップが必要で5周からアタックを  開始、6周目に坪井は3番手タイムを叩き出してQ1突破を果たした。
  • ・ Q2をアレジが担当。坪井と同じくアレジも5周目と6周目にアタックをかけた。
  • ・ アレジのタイムは、坪井と同じ1分27秒台。6番手グリッドから決勝をスタートする。
Driver Car No. Qualifying 1 Qualifying 2
坪井 翔 36 P2
  1. 1’27.095
  2. -
P6
  1. -
  2. 1’27.328
ジュリアーノ・
アレジ
天候 / 路面 気温 / 路面温度
曇り / ドライ 21℃〜22℃ / 28℃〜26℃

坪井 翔 36号車ドライバー

「予想外の気温で、路面温度が低い状況での予選でしたが、どのような路面温度でも対応できるように準備をしてきているので、あまり心配はしていませんでした。ジュリアーノもかなり頑張ってくれて、37号車と比較してもコンマ3秒差だったので良い予選だったと思います。マシンのバランスも良いので、6番手からでも追い上げられると思っています。ボクも、ジュリアーノもロングランでペースは良く、自信を持っているので、セーフティーカーとかFCYなどで混乱しなければ、良い結果を残せると思っています。」

ジュリアーノ・アレジ36号車ドライバー

「第4戦までの2ヶ月間で、多くの時間を使ってシミュレーターでドライビングを学んできました。それで自分が望むもの、どうやったらもっと速くドライビングできるかを見直して、今回の富士を迎えることができたと思います。坪井先生とのタイム差も少し詰めることができています。しかし、まだ足りない。ステップbyステップで良くなっているけど、もっと良くなることが必要。自分の課題は、タイヤウォームアップ。ロングラップはかなり自信を持つことができているので、その点を克服すれば、もっと結果は良くなる。明日のコンディションはわからないけど、良いレースをして、良い結果で終えたい。」

吉武 聡 36号車エンジニア

「約2ヶ月の間、実走行することはできなかったのですが、その間じっくりとガレージでシミュレーションしていました。そこで築いた持ち込みのセッティングは良かったです。練習走行から予選まで、セッティングの変更、修正はほどんど行わずに走行できています。ウエイトエフェクトも30kg以下だとほどんど影響はありませんから、この位置からでも十分に優勝は狙えます。坪井はいつも通りに安定してくれていますし、ジュリアーノが坪井に近いタイムで走行できている。特にロングラップが良いので、決勝では大いに期待しています。」

伊藤 大輔 36号車監督

「結果は6番手ですが、その内容、練習走行、予選の流れがこれまでとは異なります。特にジュリアーノの成長が今回の結果に出ているのがチームとしてはとても嬉しいですね。<自信を持って走ってこい>と送り出して、特に決勝セットのロングラップでは、坪井のタイムと遜色ないタイムで走行できています。3戦を消化してGT500クラスのマシンをだんだんと自分のものとしてくれています。ステップを一つ上がると、その先のドライビングが見えてくる。だから彼はもっと成長します。それを決勝で見せて、結果を出してもらいたいです。」

2022 SUPER GT REPORT
第4戦 富士スピードウェイ < 決勝 >

2022年8月7日(日)  来場者 : 29,300名  
天候 : 曇り時々晴れ

シリーズ前半戦最後の第4戦。決勝の直前に雨雲が上空を通り過ぎて雨が路面を濡らす。幸い雨はすぐに止み、太陽の日差しが路面を急速にドライアップ。スタート直後はまだコースの一部がハーフウエットだった。1周目に6位から8位へ順位を落としてしまった。クラス中団での走行が続いた序盤では、ペースは悪くはなかったが、思うように順位アップできない状態だった。第1スティントの終わりが近づき、二つ順位をアップすることに成功して、予定通りのピットイン。ドライバー交替を行って、上位を目指した。上位陣がピットストップを終えた時点で5位へ。第2スティントでNSXの8号車との4位バトルを制して4位へ。その後3位を走行するZの24号車との差を詰めていったが、約3秒差で表彰台を逃し4位フィニッシュとなった。

  • ・ コースの一部がハーフウエットだったため、フォーメーションラップが1周追加されて周回数は99周へ変更された。
  • ・ アレジがスタートドライバーを担当した。
  • ・ 1周目、2台に先行を許して8位へ。不安定なコースコンディションでコースオフ、接触を避けて、レースの序盤は、中団グループで周回を重ねた。アレジは28周目に7位へ。そして32周目に6位へ順位アップ。
  • ・ 予定通りにレースミニマムラップ33周でピットストップして坪井に交替。
  • ・ 迅速なピット作業とアウトラップの速さで順位が安定した時点では5位を確保していた。
  • ・ セカンドスティントの圧巻は4位を走行するNSXとのバトルだった。攻防は数周にわたり繰り広げられたが、56周目でついにパスに成功。次の目標は3位のZ24号車。10秒近くあった差を約3秒まで詰めたが4位フィニッシュとなった。
  • ・ 8ポイントを獲得。ランキング6位で後半戦に折り返す。
Driver Car No. Race Result / Fastest Lap
坪井 翔 36 P4
  1. 1’29.968
  2. 1’30.791
ジュリアーノ・
アレジ
天候 / 路面 気温 / 路面温度
曇り時々晴れ / ドライ 26℃〜27℃ / 33℃〜33℃

坪井 翔 36号車ドライバー

「終わってみれば4位でした。もっと上に行けると思っていたので、悔しさが残る結果となってしまいました。ペースは決して悪くはなかったと思うのですが、もっと良いと思っていたので、何が原因だったのかよくデーターを見てみないとわからないですね。第2スティントでNSXの8号車、野尻選手との4位争いに時間を費やしてしまいましたね。彼とはとてもクリーンなバトルを展開でき、それ自体は良かったのですが、もっと早くパスできていれば、表彰台に立てていたのではないかと思うと悔しいですね。それでも連続してポイントは取れているので、後半戦でも、着実にポイントを稼いで行きたいと思います。」

ジュリアーノ・アレジ 36号車ドライバー

「スタート直後はコースコンディションがとても難しくて、2台のZにパスされてしまった。接触やコースオフは絶対にしたくなかったので、無理はしなかった。スティントの中盤あたりからペースも良くなって、2台をパスしてスタートポジションと同じ順位で坪井先生に交代できた。どのようなコースコンディションでもペースを落とすことなく走れなければならない。それを勉強できた。次にこのような状況だったら順位を落とさないようにしたい。次戦の鈴鹿は好きなコース。今回ポイントを獲得したからサクセスウェイトが重くなるけど、それが走行にどう影響するか。どんな状況でもできるだけ良い結果を目指して頑張ります。」

吉武 聡 36号車エンジニア

「スタート直後はコースの一部がハーフウエットだったので、思うようにタイヤのウォームアップが行えなかったことで順位を落としてしまいました。ジュリアーノにとってはとても難しい、厳しい1周目でしたね。タイヤが暖まった後はペース的に全く遜色がなかったので、その点ですね。交替までにポジションは戻しましたけど、同じSupraの19号車、14号車に抑えられて抜くまでに時間を要してしまって、それで上位陣との差が開いてしまいました。坪井のペースも、もっと良いと思っていたのですが、予想以上にヨコハマタイヤのZ24号車が最後まで速かった。今後は毎レース取りこぼさないようにして最終戦まで頑張ります。」

伊藤 大輔 36号車監督

「4位。満足できませんね。勝てる。勝つという気持ちで臨んだ決勝でしたから。レース直前に雨が通り過ぎて、スタート直後はコースの一部がまだ濡れている状況で、ジュリアーノには荷が重かったかと思いますが、コースコンディションの変化は常にあるので、それを経験として学んで今後に活かしてほしいですね。なんとか順位を挽回して坪井に交替したのですが、思っていたほど坪井でもペースが上げられず、NSXの8号車に数周抑えられ、パフォーマンスとして足りない部分があったのは事実。今後細かなチェックを行い、後半戦に臨んで行きます。」

舘 信秀 総監督

「練習走行の段階から難しいコンディションの中でもまずまずの滑り出しだったと見ていた。ジュリアーノが4戦目にして彼の中でも進化、成長しているという点も見せてくれて、坪井とのコンビネーションも良くなってきたと思っていた。4位という結果は良くもあり、悪くもあり。表彰台は確実かと思っていたので、残念という気持ちが大きいのは事実。それはチームメイトの37号車の優勝という最高の結果との比較をしてしまっているからだけど。これで前半戦が終わってランキング6位だから、これからの後半戦でどれだけ頑張れるか。より上を目指してあと4戦を戦う。」