2020 SUPER GT REPORT 第6戦 鈴鹿サーキット

2020 SUPER GT REPORT
第6戦 鈴鹿サーキット < 予選 >

2020年10月24日(土) 来場者:9,500人  
天候:晴れ時々曇り

SUPER GTシリーズは第6戦を迎えた。この一戦を含めて残すところ3戦となった。そして、この第6戦はシリーズの中で最大のウエイトを搭載する一戦となる。TGR TEAM au TOM'Sの36号車は、ここまでに41ポイントを獲得して、ランキング4位。ハンディウエイトは82Kgとなっている。秋の陽の下、行われた午後の予選は重いハンディウエイトのマシンにとってQ1突破できるかどうかが注目された。午前中の公式練習走行からマシンがバウンドしてしまう症状が出て、それが予選に至ってもブレーキングポイントの手前でその現象が出てしまい、思うようにタイムを記録することができなかった。GT500クラス15台中12位となって、Q2に進出できずに予選を終えた。

  • ・ 36号車のハンディウエイトは82Kg=実ウエイト48Kg+燃料流量リストリクター2段階。
  • ・ Q1は関口雄飛が担当した。
  • ・ 10分間の予選Q1が7分を経過しようとしている時に一台がダンロップコーナーの立ち上がりでコースオフ、クラッシュしてしまい、セッションは赤旗中断。
  • ・ 中断から12分後に残り時間5分でセッションが再開された。
  • ・ Q1突破へ約0.5秒足りず、12番手で予選終了。
  • ・ 決勝を6列目のグリッドからスタートする。
  • ・ サッシャ・フェネストラズの予選走行のチャンスはなかった。
Driver Car No. Qualifying 1 Qualifying 2
関口 雄飛 36 P12
  1. 1’46.805
サッシャ・
フェネストラズ
天候 / 路面 気温 / 路面温度
晴れ時々曇り / ドライ 20℃ / 26℃〜28℃

関口 雄飛 36号車ドライバー

「前戦でも少し出ていたのですが、コーナー手前でマシンが跳ねてしまうので、ブレーキングも難しいし、コーナーを攻められない。練習走行の段階からその症状が出ていたのですが、予選でそれがかなりひどくなってしまっていました。コーナーを攻められないということが悔しかったですね。今回の決勝をきっちりと戦ってポイントを確実に加算していくのは当然やらなければならないのですが、このところずっとつきまとっている<跳ねる>症状をちゃんと改善してシリーズ最終盤の戦いに持ち込まないといけないと思っています。決勝までにエンジニア、メカニックの皆と原因はここだというものを見つけ出して、すっきりとして決勝を走りたいですね。与えられているハンディの状況を見れば、重いマシンの中では我々が一番前にいなくてはならないのですが、それができなかった。特に1コーナーの直前で一番ひどい跳ねの症状が出てしまうので、ブレーキングがまともにできない。風向きなども影響をしているのかも知れませんが、いずれにしてもそれを治さないとダメですね。」

サッシャ・フェネストラズ 36号車ドライバー

「ボクはロングランを担当して、タイヤの摩耗のチェックなどを行った。選択はソフト目のタイヤ。しかし、我々のマシンはバウンドしてしまうという問題を抱えている。前戦の富士のレースでもその症状は出ていたのだけれど、それで雄飛が富士の1コーナーでタイヤをロックアップさせてしまったのはそれが原因だった。燃料リストリクターがまだ2段階なのでQ2へ進出できるチャンスだったのだけれど、マシンが跳ねてしまって、ドライビングがとても難しい。練習走行で経験したけれど、あの状態よりも予選ではさらにひどくなっていたというから、その中で雄飛はかなり頑張ってくれたと思う。」

吉武 聡 36号車エンジニア

「前戦から問題になっていたバウンド、ポーポイジングによってダウンフォースが高まると、マシンの底が路面に接触してしまう症状について、改善したセッティングで鈴鹿に持ち込んだのですが、まだその症状が残ってしまっていたようです。予選のハードブレーキングの直前にその症状が出てしまうとブレーキを強く踏むことができずに減速が不十分になってしまうので、タイムが伸びなかったですね。セッションの中断も影響はありましたが、バウンドの方がタイムには影響しています。これを何とか改善して決勝に進みたいですね。アイデアはあるのでそれを決勝前の練習走行で試してみます。」

東條 力 チーフエンジニア

「ハンディの状況から見れば、ご存知のように36号車が重いマシンの中では一番前にいなくてはならないのに、一番後ろになってしまった。マシンのバランスが悪くて跳ねてしまっているというので、担当のエンジニアと細かくチェックしたいと思っていますが、それにしても予測していたタイムからは大きくかけ離れた遅いタイムしか出せていません。現在のGT500マシンは状況の変化にとても敏感ですから、風の向きや強さがマシンの動きなどに影響した可能性もあるかも知れませんが、決勝までには問題のない状態にしたいですね。」

伊藤 大輔 36号車監督

「ハンディウエイトが重いマシンの中では一番前に行きたかったですね。マシン的にまだ攻め切れていない部分があるので、そこを改善しなくてはならない。エンジニアとドライバーでデータを細かくチェックし、問題の箇所を突き止めて決勝に備えたいですね。チームメイトの37号車を含めて、ランキングトップの14号車や17号車、そして我々36号車がこの終盤戦をどう戦っていくか。第7戦、第8戦に向かう前に、この第6戦できっちりとポイントを取ることが重要だと考えています。タイヤの選択はソフト目だったわけですが、ハード目との比較で一番重要視したのは、路面温度の変化に対するドライブしている際のフィーリングですね。現在のタイヤは、温度変化にとても敏感に反応する。どちらのタイプをチョイスしてもパフォーマンスはそれほど違わなかったかもしれないけれど、適切な温度域に入ると入らないで最終的なパフォーマンスが決まるので、決勝は気温、路面温度をしっかり予測して選択します。ウエイトとリストリクターの状況を鑑みると、重いマシンの中で一番上にいなくてはならなかったですが、少し問題があるので、まずはそれを改善するのが一番です。」

舘 信秀 総監督

「本来なら、36号車がハンディウエイトが重いグループでは一番前にいなくてはならなかったのに、一番後ろになってしまっている。それには原因があって、このところずっと続いているらしいので、根本的に改善する必要がある。決勝を迎えるまでに改善していることを祈る。決勝に強いTOM'Sだから大丈夫だろう。チームを信じている。」

2020 SUPER GT REPORT
第6戦 鈴鹿サーキット < 決勝 >

2020年10月25日(日)  来場者 : 19,000人  
天候 : 晴れ時々曇り

TGR TEAM au TOM'Sの36号車は、チームメイトの37号車に続いて、1周目から積極的な展開を見せて順位アップした。 予選まで悩まされていたバウンドしてしまう症状もかなり緩和されて、それが序盤の順位アップにつながった。37号車がピットインした1周後にピットインして、タイヤ交換、給油、そしてドライバー交代してレースに復帰。セーフティーカーが導入された時点では6位まで上り詰めていた。そして、セーフティーカーランが明けて以後31周目に一つポジションをダウン。7位フィニッシュ、4ポイントを加算。トータル36ポイント、ランキング3位タイで第7戦へ臨むこととなった。

  • ・ サッシャ・フェネストラズがスタートドライバーを担当した。
  • ・ スターティンググリッドの前にいる37号車に続いて1周目からポジションアップ。
  • ・ 10周目には10位、16周目に9位へ。
  • ・ 19周してピットインしてドライバー交代。
  • ・ 37号車とNSX100号車の接触によって二つポジションをアップ7位に。
  • ・ アクシデントによって、セーフティーカーが導入された時には6位まで順位アップしたが、セーフティーカーランが明けて31周目にひとつポジションを下げてしまい、そのままゴール。7位フィニッシュした。
Driver Car No. Race Result / Fastest Lap
関口 雄飛 36 P7
  1. 1`51.515
  2. 1`50.294
サッシャ・
フェネストラズ
天候 / 路面 気温 / 路面温度
晴れ時々曇り / ドライ 20℃ / 29℃〜31℃

関口 雄飛 36号車ドライバー

「予選終了後、夜までアイデアを出し合って、セッティングを突き詰めました。ドライバー、エンジニアの吉武さん、チーム全体のエンジニアリングを見てくれている東條さん、監督の伊藤さんとバウンドする原因はどこにあるのか。37号車のデータとも突き合わせて、ここじゃないかというところがわかり、決勝では状態がとても良くなった。完全にバウンドが無くなったわけではないけれど、予選と比べたらすごく良くなりました。サッシャが頑張って順位アップしてきてくれたし、ピットインのタイミングもインラップも速くて、そしてピット作業が早かったし、自分のアウトラップも良かった。そこで同じSupraの38号車も抜くことができた。今回の決勝はドライブしていて最高に楽しかった。38号車には抜き返されたけれど、あっちはリストリクターがこっちよりも1段階下だから仕方ない。気にしていないです。2戦ノーポイントだったので、ここで4点取れてランキングも3位タイ。もてぎはホンダのNSXが速いでしょうけれど、富士はSupraが速いので勝ちにいきます。そしてチャンピオンを獲りたいですね。」

サッシャ・フェネストラズ 36号車ドライバー

「マシンのバウンドはかなり改善されたけれど、多少そのキャラクターは残っていて、途中で一回軽くブレーキロックさせてしまった。タイヤのトレッドにフラットスポットを作ってしまったので、それがひどくならないようにその後はかなりタイヤに気を遣って走行していた。マシンはかなり重かったがペースは良かったと思う。37号車をフォローして順位アップすることもできたし、アクシデントやセーフティーカーがコースインしたことで一気にポジションアップすることもできた。4ポイントを獲得できたのは最高の結果だった。2戦ノーポイントだったが、今回はポイントゲットできて、ランキング3位でもてぎに臨むことができる。前回のもてぎでは、37号車と接触してしまって、結果を出せなかったけれど、今回はクリアなレースで優勝したい。ウエイトが半分になるから、優勝してランキングトップを狙いたい。」

吉武 聡 36号車エンジニア

「予選後に皆でバウンド=ポーポイジングの原因究明をして、何とかここだという点を見つけて、そのセッティングで朝の練習走行を走ったら改善されていたので、決勝は頑張れると思っていました。完全に症状を消すことはできていないのですが、予選に比べるとブレーキングはハードではないので、注意して走ってもらえば問題はなかった。それでもサッシャは一度ブレーキをロックアップさせてしまい、タイヤトレッドにフラットスポットを作ってしまったようで、バイブレーションが起きていたようです。しかし彼はショートスティントだったので事無を得ました。ピットインのタイミングも良かったですが、今回のピット作業はかなり早くて、順位アップに貢献することができました。前の2戦でポイントを取れていなかったので、ここで4点取れてほっとしています。ランキングも3位タイまで来れたので、ここから再び優勝を狙って再スタートを切るつもりで残りの2戦に臨みます。」

東條 力 チーフエンジニア

「36号車の決勝レースはノーミスかつ完璧だった。ポーポイジングも良くなって、ペースも良かったです。この現象は多かれ少なかれどのマシンにも起きている現象で、空気を使ってダウンフォースを発生させている以上しょうがない。それをいかにしてエンジニアリングとドライビングで解消するかです。ダウンフォースが発生していなければそれは起こらないし、でもダウンフォースがなければコーナーを速く走ることができない。これをどう帳尻を合わせるかです。今回解消の方向性が出せたので、終盤の2戦でもっと状態が良くなるようにマシン造りをしていきます。同時にドライバー達にももっと工夫して走ることをお願いしています。 」

伊藤 大輔 36号車監督

「監督があれこれ口を出すのはあまり良くないと思っているのですが、バウンドしてしまう症状が続いているので、ドライバー経験者としてオンボードの映像を一緒に見てドライバーがコメントしている状況を確認し、エンジニアと共にデータを見直してセッティングを変更してみたら、日曜日の朝に改善されていた。この状態だったら決勝は順位が上げられると確信しました。実際ミスもなく、7位フィニッシュで4ポイントを獲得することができました。開幕戦から3戦まで好調でポイントをどんどん加算していったことで、ハンディウエイトがどんどん重くなり、リストリクターも厳しくなり、ここまでの戦いは本当に辛かった。今回はチーム全体で勝ち取った4ポイントですね。サッシャがちょっと失敗してしまって、フラットスポットができたと連絡してきた時には富士の二の舞かとヒヤリとしましたが、その後タイヤを労って事無を得ました。ランキング3位タイまで戻したので、後はチャンピオンを狙うだけですね。 」

舘 信秀 総監督

「36号車のレースは完璧だった。重いマシンの中で一番上でフィニッシュできた。予選まではちょっと心配していたけれど、問題の原因を突き止めたようで、終盤戦の2レースにも弾みが付いたのではないかな。第4戦と第5戦でノーポイントだったので、これはマズイと思っていたけれど、ここでチャンピオン争いに止まることができた。37号車と共に2台のTOM'Sがチャンピオン争いに加わっている。これは素晴らしいことだ。」