2019 SUPER GT REPORT 第5戦 富士スピードウェイ

2019 SUPER GT REPORT
第5戦 富士スピードウェイ < 予選 >

2019年8月3日(土) 来場者:22,500人  
天候:曇り時々晴れ

今シーズン2回目の富士スピードウェイを舞台とする第5戦が開催された。シリーズ最長の500mileレース800㎞が競われ、シーズンが折り返す。LEXUS TEAM au TOM’S 36号車は、予選日午前中のフリー走行でタイムが伸びずに苦しい展開が予想されたが、インターバルでセッティングを変更し予選セッションへ臨んだ。このセッティング変更が功を奏し、5番手グリッドを獲得し決勝を迎えることとなった。

  • ・ 36号車のポイントランキングは、5位。ウエイトハンディは48kg。
  • ・ Q1セッションを中嶋一貴が担当。6番手でQ2への進出を果たした。
  • ・ 4番手タイムをマークしている車両からは、僅か100分の6秒差という僅差の戦いとなっていた。
  • ・ 関口雄飛が担当した10分間のQ2セッション終了1分前、1コーナーでクラッシュした車両があり、赤旗が提示され、セッションはそのまま終了となった。
  • ・ 関口は、コースインして4周目にベストタイムを叩き出していたが、もう1周アタックできていればタイムアップは可能だったかもしれない。
  • ・ 赤旗中断時点の36号車は6番手だったが、赤旗提示の原因となった車両の3番手タイムが抹消されたため、5番手に繰り上がり予選を終えた。
Driver Car No. Qualifying 1 Qualifying 2
中嶋 一貴 36 P6
  1. 1’29.342
P5
  1. 1’29.293
関口 雄飛
天候 / 路面 気温 / 路面温度
曇り時々晴れ / ドライ 31〜31℃ / 36〜40℃

中嶋 一貴 36号車ドライバー

「朝の練習走行で走り出したら、車のバランスが悪く大変でした。こんな状態ではないはず…と思いながら乗っていました。そして予選に向けセッティングを色々変えながら臨み、かなり調子は良くなりました。タイヤ選択も難しかったのですが、タイム的にもそこそこのタイムが出ました。それでも6番手ですから、決勝へはもっと何かを足していかないと苦しいでしょう。暑いコンディションであれば、選んでいるタイヤは良いと思いますし、長いレースですから焦らずに順位を上げていきたいと思います」

関口 雄飛 36号車ドライバー

「予選に向けマシンを修正してもらったのですが、まだ完全には修正出来ていません。少し難しい状況でポテンシャルを出し切れないタイムアタックとなってしまいました。(4番手の)38号車に燃料リストリクター(流量制限)が1ランク入っているのにわれわれの方が遅く、38号車の前に出られなかったのが悔しいし反省点です。決勝のロングランに関しては、ベースのセットアップが重要なので、明日の朝に決勝用のセッティングが決まり速いマシンになっていたら良いですね。少なくとも同じパッケージの38号車よりも速いマシンにしたいです」

東條 力 36号車エンジニア

「練習走行からセッティングに手を加えて、どんどんフィーリングが良くなって、予選に臨みました。決勝のロングランに関しては、正直言って、掴みきれていないのが現状です。決勝日のウォームアップで確認する必要があります。欲をいえば、あと二つ三つグリッドが前だったら最高でしたが、長丁場で作戦もいくつか考えられますから、面白い展開に持ち込めると思います。もう1回優勝出来たら良いですね。ビッグポイントも取れるので狙っていきます」

伊藤 大輔 36号車チーム監督

「朝の練習走行では、マシンが想定していたところになく、機能していなかったです。チェックして、ここと思われる箇所を変更して行き、一貴選手にQ1を走ってもらったら、まあまあの状況だったので良かったですが、まだ完全ではなかったです。セットアップ変更したことが全て良い方向にいったわけではなかったので、Q2では思いのほかタイムを伸ばせなかったです。セットアップが決まっていたとしても3番手くらいが限度かなという気持ちですね。朝の状況からここまで持ってこられたことにホッとしていますし、エンジニアリング、チームの総合力を示すことができたと思います」

舘 信秀 総監督

「5番手のグリッドからスタートができるのは良かったです。われわれの総合力を考えれば、長距離レースだから十分に勝てるポジションだと判断しています。このレースはポイントが多く与えられるから是非ビッグポイントをゲットしたいですね。2勝目を得ることができたら最高です」

2019 SUPER GT REPORT
第5戦 富士スピードウェイ < 決勝 >

2019年8月4日(日) 来場者 : 38,100人  
天候 : 晴れ

真夏のGT500mileレース。決勝日は、強い日差しの下でシリーズ最長レースのスタートが切られた。序盤は、苦しい展開を強いられポジションをひとつ落としながらも耐える展開。そして、ピットイン毎にタイヤの内圧調整を行い、路面温度がやや落ちて行く状況でペースアップ。2スティント目に4位へ。そして3スティント目には2位へ順位アップ。トップの23号車との差を詰める展開に持ち込んだ。しかし、トップ奪取直前にGT300クラスの車両と接触。左フロント部を大破しピットまでたどり着くもリタイアとなった。
*1:スティントとは区分、区切り、期間の意(第1スティント=スタートから1回目のピットインまで。第2スティント=1回目のピットインから2回目のピットインまで。以降同じ)

  • ・ 照りつける太陽は、路面温度をスタート時にまで上昇させていた。500mileレースは、タイヤ交換とドライバー交代を行うピットストップを4回行ない、最低5スティントでゴールを目指す規定となっていた。
  • ・ 中嶋一貴がスターティングドライバーを担当。35周しピットイン、関口雄飛にドライバー交代。
  • ・ 関口は、ペースが上がらない展開の中でもポジションをキープ。
  • ・ 上位の車両2台が大きくポジションを落としたことで4位まで順位を上げた。
  • ・ 3位を走行していた38号車が、ピットイン直後のアウトラップで右フロントホイールナットが外れコースオフ、クラッシュしたためセーフティカーが導入された。36号車はこのタイミングで2回目のピットイン。再び中嶋に交代。この時点で事実上の3位へ。
  • ・ 全てのマシンが2回目のピットインを終えた81周目に2位へ躍進。トップの23号車を追った。
  • ・ 3スティント目ペースアップ。快調に周回を重ね、レース中盤トップ奪取の可能性が高まった。
  • ・ 101周目のダンロップコーナーでGT300クラスの集団をパスしようとした時に接触。左フロントサスペンションのアップライトを破損。ピットまでたどり着いたものの、リタイアを決断せざるを得なかった。
Driver Car No. Race Result / Fastest Lap
中嶋 一貴 36 R
  1. 1’31.763
  2. 1’32.513
関口 雄飛
天候 / 路面 気温 / 路面温度
晴れ / ドライ 28℃〜33℃ / 32℃〜51℃

中嶋 一貴 36号車ドライバー

「3スティント目は完全とは行かないまでもかなり良いフィーリングで走行できていました。ペースも良かったです。2位までポジションアップしてトップとの差も詰まっていました。しかし、背後から6号車がもっと良いペースで迫ってきているのも分かっていました。決して焦っていたわけではなかったですが、後から考えればGT300クラスのマシンをパスするのを待って、もっと安全な場所で抜けば良かったかなと思います。接触したGT300クラスのマシンは、こっちが見えていなかったのでしょうね。次戦のオートポリスは昨年良いレースができて、2位を得ているので、気を取り直して臨みます」

関口 雄飛 36号車ドライバー

「自分のスティントでは、前を行く38号車に離される展開だったのでペース的には良くなかったですね。そしてチームがスティント毎に手を加えてくれたみたいで一貴君のスティントでかなり良いペースで走行できていましたね。トップに近づいていたので、これで良い展開になれるとモニターを見つめつつ次のスティントの準備をしていました。あと4周でピットインする予定でいたのですが、リタイアして残念です。2戦連続で勝てる展開に持ち込めそうな時に順位を落としてしまったり、リタイアしてしまったので次のオートポリスは、三度目の正直で勝てるようにしたいです」

東條 力 36号車エンジニア

「本当に残念です。決勝直前のウォームアップ走行で、前日の予選から変更したセッティングを確認。コンディションの変化に対して手を加えてスタートに臨みました。序盤は、あまりペースが上がらなかったのですが、スティント毎にタイヤの内圧を変えて対処し、3スティント目はかなり良いペースで走行できていました。トップのマシンにジリジリ迫って、トップに立てるのは時間の問題だと思っていました。あの時点でトップに立てなくとも、次のスティントでトップに出られたと思います。GT300クラスのマシンと接触してしまって左フロントセクションを大破してしまいました。モノコックにはダメージは無いと思われます。しかし、36号車は、第2戦でエンジンが壊れてしまって、すでに2基を搭載中です。このまま最終戦まではライフがないので、どこで3基目を投入か判断が必要になってきます」

伊藤 大輔 36号車チーム監督

「決勝のスタート時点では完璧ではなかったですが、ウォームアップ走行から若干のセッティング変更をして、段階的に良い方向に持っていけました。そして、スティントを経る毎にセッティングを変更していき最終的にはトップと遜色ないペースで走行出来ていましたね。トップが見えていて、ギャップも詰めていた状況ですが、後ろからは6号車迫ってきていました。その時にドライバーの気持ちを落ち着けるような言葉をかけるなりが必要だったのかと反省しています。今回の500マイルでできるだけ多くのポイントを獲得する予定でしたが、残念な結果となりました。2戦連続のノーポイントで終わってしまいましたが、次戦に期待していてください」

舘 信秀 総監督

「ビッグポイントが絶対に欲しかったです。そしてトップが見えていただけに残念ですね。チームの士気もアップしていました。その直後に接触。本当にガックリです。残りの3戦、オートポリス、SUGO、もてぎで巻き返すしかないですね!」