2019 SUPER GT REPORT 第3戦 鈴鹿サーキット

2019 SUPER GT REPORT
第3戦 鈴鹿サーキット < 予選 >

2019年5月25日(土) 来場者:21,000人  
天候:晴れ

SUPER GT第3戦は、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)に舞台を移した。世界耐久選手権(WEC)出場のために第2戦を欠場したレギュラードライバーの中嶋一貴が復帰し、関口雄飛とのオリジナルコンビでの参戦となった。第2戦では、エンジントラブルに見舞われリタイヤを喫しているので、今回からニューエンジンを投入し、午前中の練習走行でトップタイムをマーク、好調な滑り出しを示した。午後の予選では、今シーズン初めてQ1を突破。そして、Q2でトップタイムをマーク、ポールポジションを獲得した。これは、鈴鹿サーキットにおいてLEXUS LC500にとっての初めてのポールポジション獲得となった。

  • ・ 5月としては記録的に気温が高まり、予選が始まった時点で気温は30℃を超え、路面温度は、50℃に迫ろうとしていた。
  • ・ 中嶋がQ1のアタックを担当。6番手のタイムをマークし、Q2への進出を果たした。
  • ・ Q2が開始される頃には、若干気温と路面温度が下がり始めたが、それでもこの時期の温度としては、高い状況だった。
  • ・ 関口がQ2を担当。
  • ・ ポールポジション争いは、昨年記録された1分44秒台のコースレコードに迫るかと思われたが、路面温度が高い状況では、45秒台の争いとなった。ウォームアップを終えてアタックに入った関口は、各セクターでライバルたちのタイムを上回ってポールポジションを獲得。
  • ・ 先にチームメイトの37号車がトップタイムを叩き出していたが、それを0.013秒差で逆転、トムスが1-2で予選を席巻した。
  • ・ フロントローを独占したのは1999年GT選手権第5戦富士(予選グリッド1-2-3を独占)以来の快挙だった。
Driver Car No. Qualifying 1 Qualifying 2
中嶋 一貴 36 P6
  1. 1’46.808
P1
  1. 1’45.775
関口 雄飛
天候 / 路面 気温 / 路面温度
晴れ / ドライ 28℃~31℃ / 41℃~48℃

中嶋 一貴 36号車ドライバー

「SUPER GTに復帰して、まず最低限の仕事をすることができました。それがQ1突破です。朝からマシンの調子が良く、走行の感触も良かったです。ライバルも速いですからポールポジションを獲得できるのか微妙でしたが、僅差の戦いの中で雄飛が頑張ってくれました。コントロールラインを通過してトップタイムだった瞬間はすごく興奮しました。この調子で決勝も優勝を目指したいですね」

関口 雄飛 36号車ドライバー

「一貴君がQ1を突破してくれた後にマシンの状況を聞いて、37号車のデータも共有してもらって、本当に少しだけ、0.5ミリくらいの車高調整をし、タイヤの内圧も細かく調整してQ2に臨みました。それが全て良い結果をもたらしてくれたと思います。自分にとって久しぶりのポールポジションでした。そして、トムスに加入してから初めてのポールポジションをやっと獲得できました。本当に嬉しいです。37号車が2番手に来ていて、最高の予選でした」

東條 力 36号車エンジニア

「3戦目にしてようやくQ1を突破できて、最終的にポールポジションを獲得できました。ニューエンジンを投入して、それも好調でした。走り出しから感触が良くて、微調整だけでセッションを進めることができました。気温、路面温度が高くなりましたが、今回チョイスし予選で装着したタイヤは、シーズンオフにマレーシアのセパンで走り込んだタイプのタイヤですので、実績もありますし、自信がありました。決勝も温度が高い予報ですが、ロングランでも安定して良いタイムを連続できているので、優勝へ向けて良いレースをしたいと思います」

伊藤 大輔 36号車チーム監督

「レースをフィニッシュできなかった第2戦の富士から、心機一転臨んだ第3戦です。走り出しの練習走行から好調で、一貴も戻って来て予選で好位置を得られるだろうという期待は大きかったです。まず、一貴がQ1を突破してくれて、そして雄飛が見事にポールポジションを奪取してくれました。最高の予選結果が得られました。ドライバーの頑張りもありましたが、スタッフ全員で獲得したポールポジションですね。この予選結果をそのまま決勝でも維持できれば、そして、トムスとして1-2フィニッシュを飾ることが出来たら最高です」

舘 信秀 総監督

「37号車がベストタイムを叩き出して、これで決まりかと思っていたら、36号車が逆転。嬉しかったです。最高な気分でしたね。だって、これ以上の状況はないでしょう。それも、0.013秒の差ですよ。各車両のスタッフの力に差がないということが実証できたことは大きかったです。フロントローにトムスの二台が並ぶのを見るのは最高でしょう。ここまで来たら、決勝も1-2フィニッシュ。どちらが前でも良いですよ。両チームに伝えているのは、絶対にクリーンなファイトをすること。決勝日には多くのファンの皆さんの前で素晴らしいレースをお見せしたいです」

2019 SUPER GT REPORT
第3戦 鈴鹿サーキット < 決勝 >

2019年5月26日(日) 来場者 : 36,000人  
天候 : 曇り

まさにパーフェクト!
ポールtoウィン、そしてファステストラップタイムを記録してLEXUS TEAM au TOM’Sの36号車がSUPER GT第3戦を制した。スタートから快走、ドライバー交代のピットイン後も追いすがるライバルを抑え、最終的には大差をつけ、チェッカーフラッグが振り下ろされたコントロールラインを通過。2位にはチームメイトの37号車がゴールしてトムスが1-2フィニッシュで、灼熱の鈴鹿の主役となった。

  • ・ 決勝日の鈴鹿サーキット上空は、薄い雲に覆われていたが、気温は29度、路面温度は39度まで上がった。
  • ・ 中嶋一貴が、スタートドライバーを担当。
  • ・ スタート直後から一気にリードを広げて1周目から2位に1.6秒の差をつけてグランドスタンド前のホームストレートに帰って来た。
  • ・ その後も安定したペースで首位を走行していた17周目、11位を走行していたGT500車両が130Rでコースアウトしクラッシュ。その直後から21周目まで、セーフティーカーがコースインした。
  • ・ 22周目にレースが再開されると、中嶋は23周目にピットイン。関口雄飛にドライバー交代した。
  • ・ 関口がピットアウトしコース復帰した時点で、まだ規定のピットインを終えていない車両の背後につけて、実質トップのポジションをキープした。
  • ・ ピットインのタイミングで2位にポジションアップしてきたLEXUS LC500の6号車が追ってきたが、関口は落ち着いて対処し、首位を保った。
  • ・ 終盤にスパートした関口は、2位以下を引き離しにかかった。
  • ・ 52周の決勝レースの49周目に37号車が2位へ上がり、トムスの1-2体制となり、そのままチェッカーを受けた。
Driver Car No. Race Result / Fastest Lap
中嶋 一貴 36 P1
  1. 1’49.395
  2. 1’50.987
関口 雄飛
天候 / 路面 気温 / 路面温度
曇り / ドライ 28℃~29℃ / 40℃~42℃

中嶋 一貴 36号車ドライバー

「スタートしたら、2位以下を突き放してやろうと思っていたのですが、37号車とか6号車のペースがかなり良くて思ったほどギャップを広げることができませんでした。セーフティーカーが入ったのはアンラッキーでしたが、レース再開後もリードを保つことができました。ピットインのタイミングも作業も素晴らしかったです。交代してから雄飛のペースが上がって来なくて、ちょっとヒヤヒヤしましたが、雄飛なら絶対に抜かれることはないと信じていました。終盤にリードを広げてくれて安心しました。終わってみれば、ほぼプランどおりのレースで優勝することが出来ました」

関口 雄飛 36号車ドライバー

「上手いタイミングでピットインしてきたので、『あとは自分が頑張るだけ』と思っていました。スティントの最初は、6号車のペースが速かったので、ここで無理してギャップを広げても後半が苦しくなるのはわかっていました。だから背後まで迫って来てもらって、ダウンフォースが少なくなったところで、タイヤの摩耗を誘う作戦を取りました。それがバッチリ決まって、終盤はギャップを広げて勝つことができました。経験を積んで、こんな作戦もできるようになりました。37号車も2位に入り、トムスにとって最高の結果を得ることができました」

東條 力 36号車エンジニア

「今回は予選から決勝まで思うとおりの戦いができました。高い路面温度のコンディションでも、シーズンイン前のテストで走りこんだタイヤの性能も信じていましたから、ミスがなければ勝てる自信はありました。けれど、後ろが迫ってきていたので緊張しっぱなしで疲れました。ドライバーの二人はパーフェクトなドライビングに加え、メカニックたちの作業も完璧でした。これほど予定どおりに進むととても嬉しいですし、気分は最高です。セーフティーカーのタイミングがそろそろピットインをしようかなと思っていた時だったのですが、うまくピットインを済ませることができましたし、首位をキープして、雄飛がポジションをキープしてくれて勝つことができました。37号車が2位でゴールしたことも最高です。次戦のタイも、この調子で戦いたいと思います」

伊藤 大輔 36号車チーム監督

「レース途中でヒヤヒヤする瞬間もありましたけれど、終わってみればパーフェクトでしたね。セーフティーカーが入って2位との差がなくなってしまった後も一貴が落ち着いてリードを保ってくれたし、ピット作業も完璧でした。雄飛が6号車に迫られた時もとても落ち着いていましたし、作戦どおりに最後は突き放してくれました。これほど完璧なレースもないというほど完璧でしたね。そして、トムスとして1-2フィニッシュを達成できました。シリーズの前半戦でランキングの上位まで来ることができました。これからも着実にポイントを加算していきたいと思います」

舘 信秀 総監督

「予選の結果で最高の気分だったけれど、完璧なレース運びで優勝をしてくれ、これまた最高の気持ちにしてもらいました。それにしてもこれほど素晴らしいレースをできたのは、初めてかもしれない。ファンの皆さんも楽しんでいただけたと思います。以前に予選でフロントローを独占したのは1999年の第5戦だけれど、その時は勝てなかったですが、当時チームで活躍してくれた山路慎一選手、病気で急逝した彼の命日と決勝日が同じだったとレース後に聞きました。彼が特別な力をチームに与えてくれたのかもしれませんね。ありがとう」