2019 SUPER GT REPORT 第2戦 富士スピードウェイ

2019 SUPER GT REPORT
第2戦 富士スピードウェイ < 予選 >

2019年5月3日(金) 来場者:35,800人  
天候:晴れ

LEXUS TEAM au TOM’Sのレギュラードライバーである中嶋一貴が世界耐久選手権(WEC)出場のため欠場。代わって、全日本F3選手権参戦とGT300クラスに出場中の宮田莉朋がステアリングを握る。
SUPER GTシリーズ中で最も多くの観客を集める第2戦は、5月のゴールデンウィークの真只中に開催され、予選日から多くのモータースポーツファンが富士スピードウェイに詰め掛けた。
そんな中で開催された公式予選であったが、僅かの差ながらQ1突破ならず。
決勝は11番手のグリッドからスタートすることとなった。

  • ・ 関口雄飛がQ1を担当。
  • ・ フリー走行後にセッティングの微調整を行ない、タイムアタック。
  • ・ Q1突破にわずか0.186秒及ばず、Q2への進出は叶わなかった。
  • ・ GT500クラスデビューの宮田に予選ドライブのチャンスはなかった。
Driver Car No. Qualifying 1 Qualifying 2
関口 雄飛 36 P11
  1. 1’28.457
P
  1. -
宮田 莉朋
天候 / 路面 気温 / 路面温度
晴れ / ドライ 22℃~33℃ / 21℃~32℃

関口 雄飛 36号車ドライバー

「フリー走行の感触はよかったです。このまま行けば、かなり良い結果が出せるかなと、良い手応えを感じてはいました。しかし、チョイスしたタイヤと路面が少しマッチしてくれなかったです。もう少し路面の状況、ラバーグリップが高まると読んでいたのですが、そうなりませんでした。路面がもっと良くなれば、リアがスライドしなくて、タイムも伸びたと思うのですが、第3セクターでリアが滑ってしまいました。決勝は天候の変化もありそうですから、しぶとく行きます」

宮田 莉朋 36号車ドライバー

「予選で走行することはできなかったですが、練習走行でニュータイヤも履かせていただいて、感触は少し掴めました。しかし、時間切れで十分に温まった状況で思いっきり走行することはできなかったので、決勝ではどうなるかは、自分としては予想がつきません。関口選手とチームとで良いセットを見つけ追い上げたいと思います。決勝では自分が第2スティントを担当しますが、できればドライコンディションで走行したいですね。しかし、どのような状況でもポイントが取れるように頑張ります」

東條 力 36号車エンジニア

「ソフトのタイヤか、ミディアムかの選択は、路面温度がどちらのタイヤが良いか判断の分かれ目でしたね。結果的にソフトタイヤがタイム的には良かったという結果が出ました。我々は、ミディアムを選択していました。また、現在、LEXUSの車両開発でトライしているセットアップでは、路面状況が良くない時は、タイヤがグリップしたりスライドしたりという動きが顕著に出ていました。それがはっきりと分かったのは良かったですね。宮田選手に関しては、限られた時間で十分とは言えないまでも、ちゃんと仕事はこなしてくれていますので、決勝においても2スティント目を担当してもらいます。天候、コンディションが気掛かりですが、順位を上げて終わりたいと思います」

伊藤 大輔 36号車チーム監督

「すでにシーズンインしていますが、いろいろな改善を進めるべく毎回新たな試みをしています。シーズン前にやり残した事を今一つずつ処理していると思っていてください。東條エンジニアは、我がチームだけでは無く、LEXUS全体のマシン開発、向上にも深く関わっているので、今後LEXUSの対ライバルに向けた開発にもプラスになると思います。大きく前進はしていませんが、ネガティブではないので、今日の結果、状況と明日のフリー走行の状況を分析して決勝に向けて対策をします。天候が不安定という予測もあります。好天でドライだった場合は、皆同じような戦略となるでしょうが、ウエットコンディションとなった場合は戦略の選択肢は増えるので、その中で順位を上げられる作戦を考えたいです」

舘 信秀 総監督

「開幕戦の岡山から連続してQ1突破ならず。しかしながら、いろいろなトライをした結果であると聞いています。なので、大きく落胆しているわけではないです。決勝に向けてのマシンセットアップに期待しています。そして、天気の予報は雨、ドライコンディションなった場合よりも順位アップのチャンスはあるとポジティブに考えているので、トムスとしては、37号車と共に1-2フィニッシュを狙う意気込みで決勝に臨みたいと思っています」

2019 SUPER GT REPORT
第2戦 富士スピードウェイ < 決勝 >

2019年5月4日(土) 来場者 : 56,000人  
天候 : 雨のち曇り

決勝日の午前中は、五月晴れの下、さまざまなイベントがサーキットで開催されていた。ゴールデンウィーク後半とあって場内は多くのお客様で大盛況の下、決勝日を迎えた。決勝前のウォームアップ走行(ドライコンディション)では、前日の予選から決勝へのセットアップ修正を確認。そのセッションでトップタイムを叩き出し、決勝へ向けて期待が高まった。しかし、スタート直前、ダミーグリッドに並んでいた際に雨が降り始め、みるみるうちにコースはウエットコンディションとなった。レース序盤では順調に順位アップに成功し7位までポジションアップ。その後、雨量の増加と雷で赤旗によりレースが中断。
レースが再開したもののドライコンディションへと変化して行く際に徐々に順位を下げてしまう。懸命に挽回を図り11位までポジションを上げたところで、エンジントラブルによってストップ、リタイアとなった。

  • ・ 関口雄飛がスタートドライバーを担当。レインタイヤを装着して第1スティントを走行。
  • ・ セーフティカースタートで3周目からレース開始。序盤で一気に7位までポジションアップ。
  • ・ 雨が強まり、サーキット周辺に落雷もあり天候が悪化した13周目にセーフティカーがコースイン。15周目に赤旗が提示されてレースは中断された。
  • ・ 30分後、天候回復にあわせレース再開が宣言され、二度目のセーフティカースタートで19周目からレースが再開した。
  • ・ コースは徐々に乾き始め、レインタイヤのオーバーヒートにより、関口はポジションをキープするのが難しい状況となり10位まで順位をダウン。42周してピットインし宮田莉朋に交代。
  • ・ 路面は、ところどころ濡れている箇所が残る難しい状況で、宮田は初のGT500クラス決勝レースへとコースインした。
  • ・ ピットインした際には一時ラップダウン、15位まで下がってしまったが、落ち着いて周回を重ねた宮田は、徐々にペースアップし、着実に順位を上げていった。
  • ・ 完全にタイヤのウォームアップができてからは、上位チームと遜色ないラップタイムを刻んで11位までポジションを挽回。
  • ・ しかし、62周目にエンジントラブルが発生。ピットに戻ることなくレースを終えてしまった。
Driver Car No. Race Result / Fastest Lap
関口 雄飛 36 DNF
  1. 1’40.543
  2. 1’30.908
宮田 莉朋
天候 / 路面 気温 / 路面温度
雨のち曇り / ウエットのちドライ 13℃~18℃ / 17℃~25℃

関口 雄飛 36号車ドライバー

「ウォームアップ走行で、マシンが凄く調子良くトップタイムだったので楽しみでしたが、雨が降って来てウエットコンディションになって、少しガッカリでしたね。でもレインタイヤでも序盤に順位をどんどんとアップできました。中断を挟んでレースが再開されると、コースが乾き始めて、自分たちのレインタイヤがグリップダウンしたのですが、それはLEXUS勢の同じタイヤメーカーを装着するチームの中でも一番悪かったようです。できるだけ引っ張ってからピットインする作戦だったのですが、あれが限界でした。宮田選手に代わってから、頑張ってくれたのですが、エンジントラブルで止まってしまい残念な結果で終わってしまった」

宮田 莉朋 36号車ドライバー

「自分にとって初めてのGT500クラスの決勝は、とても難しいコースコンディションでの走行となりました。タイヤが十分に温まっていない時は、マシンをコース上に留めておくだけで精一杯でした。タイヤが温まって機能し始めてからは、リズム良くドライブできて、ピットから無線で【トップタイム】と連絡をもらいました。自分のスティントでできる限り順位をアップするドライブをしていたのですが、トラブルでストップしてしまって本当に残念です。今回の経験を今後のレースに生かせればと思います。今回、ドライブのチャンスを与えてくださった関係者の皆様に感謝します。ありがとうございました」

東條 力 36号車エンジニア

「ドライコンディションで行なったウォームアップ走行で、良いセットアップを確認できて、トップタイムをマークできていただけにドライでレースをしたかったですね。レースはウエット。その状況下で雄飛が順位アップしてきてくれました。しかし、どんどんとコースが乾き始めるとレインタイヤが一気にオーバーヒートしてグリップダウンしてしまいました。できれば、あと1周か2周持たせたかったのですが、無理でした。交代した宮田選手のペースもタイヤが温まって来たらとても素晴らしかったです。最後はエンジントラブルで非常に残念でした」

伊藤 大輔 36号車チーム監督

「本当に、今回はいろいろなことがありましたね。予選は思うようにいかなかったですが、決勝前の走行ではトップタイム。ドライでレースが出来ていたらどうだったでしょう。しかし、ウエットコンディションでも関口が果敢に攻めてくれてくれました。最初のスティントの終盤で予定よりも早く入らざるを得なかったのはチームの責任です。宮田の走りも良かったです。難しいコンディションでもちゃんとマシンをコース上に留めてくれたし、タイムも全く遜色なかったですから。エンジンのトラブルはしょうがありません。次戦の鈴鹿は、気をとりなおして臨みます」

舘 信秀 総監督

「ウォームアップ走行で36号車がトップタイム。37号車がそれに続いて1-2でした。ドライコンディションでレースができていたら、きっと面白い結果になっただろうと思います。しかし、レースはスタートから雨が降り始めてしまいました。その状況下で、関口はガンガン順位を上げてくれました。ピットでの混乱はあったのですが、初GT500レースの宮田莉朋は、リズムに乗ってからは、その時点でのトップタイムをマークし、さすがトムスのF3ドライバーという実力を示してくれました。これは非常に嬉しかったですね。次戦では、中嶋一貴も帰ってくるし、心機一転。状況を好転させ結果に繋げたいですね」