ボルダリングのルール・マナーとは? 初心者が押さえておきたい基本とポイント
話題のスポーツ「ボルダリング」。近年は競技人口が増え、多くのメディアで取り上げられるなど注目度が高まっています。ボルダリングを始めてみたいという方に向けて、そのルールやマナーの基本と押さえておくべきポイントをまとめました。
そもそもボルダリングとは?
ボルダリングは、前進手段に道具を使用せず(クライミングシューズを除く)、自身の手と足のみで壁を登る「フリークライミング」の一種になります。その中でロープによる安全確保がないものを「ボルダリング」と言います。壁の高さは、人工壁を登る場合3~5mであることが多いです。

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ボルダリングのルール

カラフルな突起物(「ホールド」と言います)を手がかり、足がかりとしてゴールを目指すボルダリング。ボルダリングジムには多種多様なホールドが壁に取り付けられていますが、それぞれにコースが設定されています。
スタートからゴールまで

コースのことを「課題」と言います。1つの課題は、「S」と書かれたテープが近くに貼られているホールドから、「G」と書かれたテープが近くに貼られているホールドまでを指します。「S」ホールドを両手で持って地面から体が離れるとスタート、「G」ホールドを両手で保持するとゴールとなります。ちなみにゴールはクライミング用語で「完登」と言います。
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課題はテープの色や形で判別する

最も難易度の低い課題では、「S」から「G」までの間にどのホールドを経由しても構わない設定をしているジムがほとんどですが、少し難易度が上がると指定されたホールドを使って登らなければなりません。この場合は、その課題におけるスタートからゴールまですべてのホールドに同じ色、同じ形(直線や四角など)のテープを貼ることで判別しているのが一般的です。
ボルダリングの難易度(グレード)

課題の難しさは「グレード」で表します。ボルダリングは段級位制で、下はだいたい10級から、上は6段までと言われています。10級から数字が少なくなっていき、1級に達するとその次は初段、そこから2段、3段と上がっていきます。グレードの判断は主観的要素が強く、同じ級数でもジムによって難しさが異なります。また、ジムごとに各グレードに色を割り振り、その色をテープに反映することで、その課題がどのグレードなのかをわかりやすくしています(スタートのテープにグレードの数字そのものを表示しているジムもあります)。

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登る前には課題の下見(オブザベーション)を

登る前には課題の下見(「オブザベーション」と言います)が大切です。登っている最中に次のホールドを探していると体力を消耗しがちです。スタートからゴールまでの道すじを事前に考え、どのように登っていくのか戦略を立てることもこのスポーツの醍醐味だと言えるでしょう。
ジムスタッフが説明してくれる

多くのジムでは、未経験者の方にこれら基本的なルールをスタッフが説明してくれます。ルール説明が終わった後でも、わからないことがあればいつでも答えてくれるはずです。
ボルダリングの注意点

基本的なルールを理解した後は、注意点も覚えておきましょう。ルールとともにマナーも守って、みんなで気持ち良くボルダリングを楽しめるといいですね。
登らない時はマットの外へ

壁の前には落下時の衝撃緩和のためにマットが敷かれています。登らない時は、マットの外で待機するようにしましょう。マットの上にいると近くで登っている人が不意に落下してぶつかり、思わぬ事故に繋がる危険性があります。
同じ壁で同時に登らない

2人以上が近い場所で登っていると、課題が交差する場合があり、また落下の際にぶつかる可能性もあるので、そういったシチュエーションは避けましょう。登ろうとしている課題の近くで先に登っている人がいたら、マットの下で順番を待つように心がけてください。
着地に注意

ゴール後や、途中であきらめて降りる際は、なるべく下を確認して、ある程度の高さまで下ってからマットに着地しましょう。降下時はどのホールドを使用しても問題ありません。
爪は短く、髪は束ね、アクセサリー類は外す

ボルダリングは指先でホールドを掴むことが多いため、爪が割れる可能性が少なくありません。またクライミングシューズは窮屈な作りになっているので、足の爪が長いと痛めてしまうことも。できれば手足の爪は事前に切っておくと良いでしょう。時計や指輪などのアクセサリー類は傷ついてしまったり、ケガに繋がったりするので外してください。長髪の方は、トライ中に髪の毛が邪魔になり登りづらくなります。ヘアゴムなどで髪をまとめておくと、ストレスなく集中して楽しめるはずです。
ボルダリングの服装

動きやすい服装であれば、特に決まりはありません。ボルダリングを始めるのに必要なウェアはシンプルで、Tシャツ、パンツ、靴下の3つ。ただし、壁を登るスポーツなので、下からの視線が気になる方は丈の長いTシャツやロングパンツなどを着用しましょう。クライミングシューズはジムでレンタルできるので、初心者の方は用意する必要はありません。
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ボルダリングジムに行ってみよう!

ボルダリングの基本ルールとポイントを押さえたら、実際にジムに行ってみましょう!
受付をして着替え

ジムに着いたら、まずは受付。ジムによっては会員登録手続きが必要です。書類に必要事項を記入してから、利用時間などの料金プランを選択して、先に会計を済ませます。その後は更衣室で着替えます。
ジムスタッフからのレクチャー

着替えを終えたら、ジムスタッフによるインストラクションが受けられます。先述したようなルールや注意事項、登り方などを丁寧に教えてくれます。
無理せずに休憩を

準備運動をしたら、思い思いに登ってボルダリングを楽しみましょう! 時間が経つにつれて腕がパンプアップし疲れてしまうので、休息をしっかり取りましょう。この時間を利用して、他人の登りを眺めながら登り方のコツを探ってみても良いかもしれません。
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新型コロナウイルスの感染対策

全国各地のボルダリングジムで新型コロナウイルス感染対策が取られています。十分な換気を行い、マスクの常時着用、入店時の消毒、声のかけ合いの自粛などを求めている店舗がほとんどです。また、利用者の人数制限をしているジムも見受けられます。訪れる先の感染対策に従い、リスクを避けながら登りましょう。
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ボルダリングを楽しもう!

ボルダリングは気軽に始められ、基本的なルールも簡単。登り方に正解はなく、ゴールまでの過程も人それぞれ。全身運動のため身体が引き締まりやすいことも特徴です。ルールやマナーを守りながら、ぜひ魅力あふれるボルダリングを楽しんでください!
※掲載内容は2021年10月時点の情報です。