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全身を使いボルダリングで完登を目指す伊藤ふたば

コロナ禍の運動不足に最適 全身を使うボルダリングのすすめ[後編]

日本コンディショニング協会の会長で、TEAM auの野口啓代、楢﨑智亜・明智兄弟の専属トレーナーを務める有吉与志恵氏に聞く、スポーツクライミング。後編では他競技との比較を交えながら、子どもに与える好影響などを聞いた。

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コロナ禍の運動不足に最適 全身を使うボルダリングのすすめ[前編]

テニスや陸上など、他競技のアスリートも多く指導している有吉さんですが、スポーツクライミングと他競技で感じた違いはありますか?

「ボルダリングとリードで言えば、トレーニングの複雑性でしょうか。テニスや陸上は一定の動きの繰り返しで、比較的シンプルなプログラムになっています。陸上であれば『もっとストライドを広げたい』『もっとスピードを出したい』というように、目標設定もしやすいです」

改善したいことがはっきりしてると言いますか。

「そうです。これを改善すればパフォーマンスが変わる、ということがものすごく見えやすいんです。テニスの場合でも『フォアハンドが弱いから、ここの筋力をアップしてこうやって打てば、身体が回旋して強く打てるようになる』といった具合に分析しやすいのですが、クライミングはその時々で課題が変わり、様々な動きが要求されますからね。確かに身体を引き上げる、腕で押すなどいくつか基本的な動きのパターンはありますが、そこに壁の傾斜、手で保持する面積など、様々な要素が絡んできます。私が担当している中で、複雑なトレーニングと言えば女子新体操でした。ボールやフープといった道具を投げたりキャッチしたりしますよね。でもクライミングは、新体操の比ではないくらいに複雑です(笑)」

身体的な要素以外にも、登る前にゴールへの道筋を考える「オブザベーション」という要素のあるスポーツクライミングでは物事を順序立てて話す論理的思考能力が高い選手が多いように感じるのですが、その点はいかがでしょうか?

「まずどの競技においても、論理的でないと超一流にはなれません。運動というのは、脳が筋肉に命令して成り立つので、事前に脳内でどれだけイメージできているかが競技力に通じます。脳はイメージを打ち消すのが苦手な臓器。『ライオンを思い浮かべちゃいけない』と言われても、頭の中にライオンを思い浮かべてしまうんですね。ですから、脳は、自分がこうなりたいとか、こんなプレーをしたいという想像力が強いと筋肉をそう動かす指令を送ります。そのイメージ力が目標達成を早くします。クライミングはオブザベーションで完登へのイメージを沸かせ、さらに自分の身体をどう動かしていくのかというところまで考えを発展させるので、確かに論理的な思考に繋がっている可能性は考えられますね」

リード壁を前にオブザベーションをする選手たち
オブザベーションする選手たち
近年はクライミングジムで子どもたちを見かける機会が増えました。小さい頃からクライミングをすることにはどのようなメリットがありますか?

「子どもは、幼稚園に入る頃まではハイハイなどで床でたくさん遊ばせたほうがいいんです。手足を同時に使うと、全身に協調性が生まれます。幼稚園を過ぎたくらいになると、次は立位でリズミカルな運動をさせたほうがいい。鬼ごっことか、昔なら缶蹴りとか。そして、小学校中学年あたりから12歳頃までは空間認知のある運動をさせるといいと言われています。そういう意味では、小学生でクライミングをしていると運動能力は上がりやすいですし、空間認知能力が高いので他のスポーツにも移行しやすいと思います」

最近では、他のスポーツとのかけ持ちでボルダリングを定期的にしている子どももいると聞きます。

「はい、私の周りにも掛け持ちしている子どもたちは多いです。ただ、ボルダリングだけをしている子どもたちのテクニック重視の傾向には少し警鐘を鳴らしたいですね。今はどのスポーツもそうですが、若年層でも高度なテクニックが求められるようになってきています。テクニックを高める練習ばかりしていると偏った筋肉の身体になりやすいので、自在に動けるというか、基礎的な体力を上げるようなトレーニングをしてほしいとも思いますね」

キッズスクールを行うジムも増えてきました。

「危険性が叫ばれ、ジャングルジムや登り棒といった校庭、公園にあった遊具が減ってきている現代では、クライミングは子どもたちにとってとても良いスポーツだと思います。全国の小学校に壁を設置して、必須体育にしてもいいと思っているくらいです(笑)」

子どもにとっても良い影響を与えるボルダリング
近年は子どもたちのスポーツクライミング人気が高まってきており、小学生向けのイベントや大会も行われている(写真:森口鉄郎)
生涯スポーツという観点ではいかがですか?

「私の周りには自然の岩場に行っている高齢の方が多いんです。その中で最高齢は74歳。彼らに話を聞くと『自然に触れられるし、日常から離れたところで、ちょっとでも登れば達成感を味わえる。足腰も鍛えられる』とおっしゃっていました」

クライミングジムには高齢者から家族連れまで、幅広い層が訪れていますよね。

「チャレンジすることによる刺激や達成感を強く秘めている。そんなスポーツなんだと思います」

※掲載内容は2021年9月時点の情報です。

  • 有吉与志恵(ありよし・よしえ)
  • 有吉与志恵(ありよし・よしえ)
    筋肉の状態を整えるコンディショニングの国内第一人者。テニスの杉山愛をはじめ様々な競技のトップアスリートから一般人まで幅広い指導経験を持ち、首都圏に6店舗のパーソナルジムを展開するハースコーポレーションの最高技術責任者。日本コンディショニング協会の会長も務める。

取材・文:CLIMBERS編集部
写真:窪田亮

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