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いまさら聞けないボルダリングの基礎知識 リザルトの見方編(コンバインド種目)

いまさら聞けないボルダリングの基礎知識 リザルトの見方編(コンバインド種目)

知っているようで知らないスポーツクライミングやボルダリングの基礎知識を連載形式で解説していく本連載。第11回は、馴染みの薄い方も多いであろうスポーツクライミングのコンバインド種目における「リザルトの見方」について、元日本代表で現在は大会中継の解説などを務めている伊東秀和氏に聞いた。

特に難しいボルダリングのリザルト

スポーツクライミングを観戦するとき、リザルト表を理解するのに難しさを感じています。

自分が実際にクライミングを行うのと、大会を観戦するのとでは大きく異なりますよね。得点が入ったことがわかりやすい野球やサッカーなどと比べると、スポーツクライミングではいくつかのポイントをつかむ必要があります。

特に最も親しみ深い、ボルダリングでつまずくことが多いのですが...。

確かに、スポーツクライミングの3種目のうち、ボルダリングのリザルト表は複雑で、その読みづらさは多くの方が最初に感じる部分かもしれません。ですが、表に並ぶ数字の意味を理解さえしてしまえば、意外と簡単です。リアルタイムで表示されるスコアを追っていくことで、観戦の楽しさが格段にアップしますよ。

今年は大規模な国際大会が開催予定で、多くの注目が集まりTV観戦される機会も増えそうですよね。

採用されているのは「コンバインド」という、スポーツクライミングの3種目を1人の選手が行う複合種目です。スピード、ボルダリング、リードの順に競技し、各順位の値をかけ算して、その数の少ない順に順位を決定します。3種目をこなす体力も含めて、総合力が問われます。

それでは、注目度の高いコンバインド種目におけるリザルト表について、一連の見方を教えてください。

スピード、ボルダリング、リード、最後にコンバインドのリザルト表の見方について、各種目のルールも簡単に紹介しながら、詳しく解説していきます。

リザルト表の見方:スピード(コンバインド種目)

まずはコンバインド種目の出場人数から教えてください。

男女ともに予選は20名が出場します。3種目を順番に行い、その上位8名が決勝に進出。再度3種目を順番に競技して、最終成績を決定します。

第1種目はスピードですね。

スピードは、高さ15mの壁を「どれだけ速く登ることができたか」を競います。陸上の短距離走などと同じで、タイムを競いますから、リザルト表の見方も簡単と言えるでしょう。

[関連記事]
スピード単種目の詳細

スピード予選 リザルト表

teamau_2021_05_01_01.jpg
本記事におけるリザルト表は全て、JMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)が主催するコンバインドジャパンカップのライブ配信で使用されたものをもとに作成。

こちらがコンバインドの予選におけるスピードのリザルト表です(画像は上位10名のみ)。スピードではレーンAとレーンBがあり(コースは同一)、予選に限り、選手は各レーンで1回ずつ試技を行うことができます。リザルト表の「記録」欄を見るとわかる通り、レーンA・Bのどちらか速いタイムが予選記録として採用されます。

「FALL」は何ですか?

文字通り「落下」の意味です。スピードではホールドの踏み外しなどで落下することが少なくなく、その場合は「FALL」と記載され「記録なし」となります。

たまに「FS」という表記も見かけるのですが。

「False Start(フォルススタート)」の略で、いわゆるフライングです。予選の試技2回中、どちらかでフライングした場合は、その時点で失格となり、最下位となってしまいます。タイムを競うスポーツはどれも同じだと思いますが、フライングを犯さないよう、かつ最適なスタートを切るタイミングが求められます。

スピード決勝 リザルト表

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決勝は、予選のタイムレース方式とは変わり、1対1の勝ち抜き戦によるトーナメント方式となります。1位と8位、2位と7位など、合計数が9になる組み合わせで第1ステージを行い、その勝者4名と敗者4名によるトーナメントで1位から8位までを決定します。

確かに、スピードのリザルトは単純明快ですね。

スポーツクライミング3種目の中では最もシンプルでわかりやすいと言えるでしょう。

リザルト表の見方:ボルダリング(コンバインド種目)

続いて、最も見方が難しい第2種目ボルダリングのリザルト表について教えてください。

ボルダリングは、高さ4~5mほどの壁に設けられた複数の課題(コース)を制限時間内に「いくつ登りきれたか」を競います。リザルト表を読み解く際に覚えていただきたいのは、順位の決定方法です。ボルダリングでは以下の優先順で順位を決定します。

①完登数の合計が多い順
②ゾーン獲得数の合計が多い順
③完登に要したアテンプト数の合計が少ない順
④ゾーン獲得に要したアテンプト数の合計が少ない順

これを踏まえた上で、リザルト表を見ていきましょう。

[関連記事]
ボルダリング、リード単種目などの詳細

ボルダリング リザルト表

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まず「#」は何でしょうか?

課題番号を表します。コンバインドのボルダリング予選は4課題、決勝は3課題で行われます。

赤と青で数字が四角く囲まれていますよね。

赤枠は完登を、青枠はゾーン獲得を表します。空白の場合は、完登なし、または完登とゾーンの両方なしという意味です。

枠内の数字は何を意味しますか?

赤枠内は完登までに要したアテンプト(トライの意)の数、青枠内はゾーン獲得までに要したアテンプトの数です。「1」の場合は1回目のトライでゾーン獲得、完登したということになります。

「T」と「z」は何でしょうか?

「T」は「TOP(トップ)=完登」、「z」は「ZONE(ゾーン)」の略です。

リザルト表内の右側にある「完登」「ゾーン」「アテンプト」の欄は、先ほど教えていただいた「順位決定の優先順」に並んでいるのでしょうか?

その通りです。左から「①完登数の合計」「②ゾーン獲得数の合計」「③完登に要したアテンプト数の合計」「④ゾーン獲得に要したアテンプト数の合計」の順番に並んでいます。例えば1位の野中生萌選手の場合、赤枠が4つあるので完登数は4。「4T」と表記されていますね。青枠も4つあるので、ゾーン獲得数は4で「4z」となります。

「完登」「ゾーン」の数は、それぞれの色の数を足せばいいんですね。

はい。そして「アテンプト」の列には数字の()が2つ並んでいますが、左は「③完登に要したアテンプト数の合計」、右は「④ゾーン獲得に要したアテンプト数の合計」です。

つまり完登を表す赤枠内の数字を足し合わせると「③完登に要したアテンプト数の合計」になると。

そうなりますね。一番右の「④ゾーン獲得に要したアテンプト数の合計」は青枠内の数字の合計数になっています。

これらを踏まえると、まず完登数が「4T」で最も多い野中生萌選手、森秋彩選手が上位にきますね。

そして「T」で並んでいる場合は、次に「z」の数が多い選手が上位になります。野中選手と森選手は、それでも勝敗が付きません。ここからは「③完登に要したアテンプト数の合計」を見ます。ここまでは数の多い順で比べていましたが、今度は数の少ない順で比較します。

確かに「4z」で並んでいる野中選手と森選手ですが、その右の「③完登に要したアテンプト数の合計」が少ない野中選手が上位になっていますね。

そしてそれでも同一の場合は、一番右の「④ゾーン獲得に要したアテンプト数の合計」で少ない選手が上位になるのです。

順位決定の仕組みがわかれば、リザルト表もずいぶん理解できるようになった気がします。

リザルト表の見方:リード(コンバインド種目)

最終種目のリードはどうなりますか?

リードは、高さ12m以上の壁に設けられた1つの課題を制限時間内に「どこまで登ることができたか」で競います。予選、決勝ともに課題は異なり、各ラウンドで試技は1回のみ。ボルダリングと違い、トライのやり直しはできません。

リード リザルト表

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まず「高度」とは何ですか?

各選手のスコアを意味します。課題内のホールドには、あらかじめ手で使用されることが想定されたホールドに番号が振られています。上に進むほど番号は大きくなり、選手が落下する直前に保持していたホールド番号が高度として記録されます。「TOP」はボルダリングと同じく、完登を意味します。

数字が大きいほど上位になるのですね。数字の横にある「+」が気になります。

「+」については、"身体のコントロールがされた状態でホールドを保持し、その次のホールドを掴もうとした場合に加点される記号"と考えてください。ホールドを保持してただ落下した選手よりも、そこから次のホールドに対するムーブを起こした選手のほうを優位にしようというルールです。同じ高度でも、「+」の付いた選手が上位になります。

全く同じ高度かつ「+」で並んだ場合はどうなりますか?

「時間」(クライミングタイム=スタートから落下するまでの所要時間)の短い選手が上位になります。完登の場合は、「落下までの所要時間」ではなく「最終支点にロープをかけるまでの所要時間」が短い選手の勝ちです。

「高度」と「クライミングタイム」を理解すれば、リードのリザルト表も比較的わかりやすいと言えるのではないでしょうか。

リザルト表の見方:コンバインド種目

最後にコンバインドについて、あらためて順位決定方法から教えてください。

冒頭でお伝えした通り、スピード、ボルダリング、リードの順番で競技を行い、各順位の値をかけ算してポイントを算出して、その数の少ない順に順位を決定します。

極端に言えば、3種目全てで1位になれば総合1位になりますか?

はい。1位×1位×1位で1ポイントになり、これ以上少ない数はありえませんから、決勝で記録すれば文句なしの優勝になりますね。かけ算というのがミソで、どれかの種目で1位を獲得すれば、かなり有利になります。

コンバインド リザルト表

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「スピード」「ボルダリング」「リード」の各列にあるのは、順位の値です。1位のTEAM au、藤井快選手は、5位×1位×3位で、合計15ポイント(「複合」の列)になります。かけ算であることがわかれば、単純ですよね。

同ポイントの場合はどのように勝敗を決めるんですか?

その選手間で、3種目のうち2種目で勝っている選手が上位になります。上記表の場合、6位の竹田創選手と7位の清水裕登選手が84ポイントで並んでいますが、スピード(4位)とボルダリング(3位)で清水選手を上回っている竹田選手が上位にきています。

「かけ算」ということを覚えれば、コンバインドのリザルト表もわかりやすいですね。

今回は「コンバインド」における一連のリザルト表の見方を説明しましたが、覚えてしまえば意外とルールはシンプルなので、苦手意識を持っている方はぜひこの機会に覚えてみてください。特に、種目ごとに順位が変動するコンバインドは、各選手の状況を把握しながら観戦すれば、一歩踏み込んだ楽しみ方ができると思いますよ。

※掲載内容は2021年5月時点の情報です。

  • teamau_20190418_photo_prof.jpg
  • 伊東秀和(いとう・ひでかず)
    1976年、千葉県生まれ。2002年、03年のジャパンツアー年間王者。日本代表として11年まで世界選手権5大会に連続出場(リード種目)。現在は『伊東秀和クライミングスクール』を主宰し、多くの日本代表選手からユース世代、一般の方まで幅広く指導している。スポーツクライミング番組の解説でもおなじみ。
    公式インスタグラム https://www.instagram.com/hide9a2019/

取材・文:横畠花歩
写真:アフロスポーツ、窪田亮

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