ログイン
  • au × CLIMBING ABOUT
  • HOW TO CLIMB
  • TEAM au MEMBER
  • au SPORTS LINKS

2020年のTEAM au。野口啓代、楢﨑兄弟が見据える、まっすぐな未来

2020年のTEAM au。野口啓代、楢﨑兄弟が見据える、まっすぐな未来

新型コロナウイルスの影響で、他のスポーツと同様に多くの大会が中止・延期となった2020年のスポーツクライミング界。今年5月、野口啓代選手の実家敷地内に完成したプライベート・トレーニング施設『au CLIMBING WALL』には、逆境に負けることなく、さらなる進化を目指すTEAM auの選手たちの姿があった。未来をまっすぐに見据える、野口啓代、楢﨑智亜、楢﨑明智の3選手のインタビューをお届けする。

野口啓代
2021年は競技人生の集大成、有終の美を。

ユース時代も含めて2003年から毎年、国際大会に出場されてきましたが、2020年はゼロ。海外遠征がないシーズンは特別な1年だったと思います。

「1月にインスブルック(オーストリア)に代表合宿に行った以外、今年は海外に行かなかったです。16歳からW杯に出始めて、ボルダリングW杯はほぼ全戦、年間で15~20戦ほど出場していたと思います。それがなくなって、これまで海外にたくさん行けて大会に出られていたというのは、すごく幸せな競技人生だったんだなと実感しましたし、早くいつも通りの忙しい日常に戻りたいと強く感じました」

スポーツクライミング日本代表は、クラウドファンディングで新型コロナウイルスの支援プロジェクトを始めました。野口選手はJMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)アスリート委員会の一員でもありますが、この取り組みについてどう考えていますか?

「新型コロナウイルスは私たちの選手としての活動もそうですが、すべての人に直接影響のあることです。アスリートが表立って活動をすることで、少しでもいい影響があればと思いますし、クライマーもしっかりと社会問題に取り組んでいくことが必要だと考えています」

コロナ禍で大会が次々と中止になる中、「au CLIMBING WALL」が完成しました。あらためてこの施設の感想を教えてください。

「暑さ寒さ関係なく3種目のトレーニングができますし、どこかのジムに移動もしなくて済むので、落ち着いてトレーニングができています。また、自分の苦手課題を作ってもらったり、自分の苦手な部分ともじっくりと向き合えていると思います」

teamau_2020_12_02_02.jpg
野口啓代選手は実家敷地内にできた「au CLIMBING WALL」でのトレーニングについて、「苦手な部分ともじっくりと向き合えている」と話す。
理想的な環境ですよね。他のクライマーから羨ましがられませんか?

「よく一般の方から『利用できるんですか?』って聞かれますね(笑)。海外のクライマーも含めて登ってみたいという声はたくさんいただいていて、嬉しく思います」

夏の大会が延期となりましたが、どう捉えていますか?

「延期に対してネガティブな感情にはまったくなりませんでした。中止にならなくてよかったという感じですね。これまでの競技人生はずっと大会に出てきて、しっかり自分と向き合ってトレーニングする時間がこれほど長くは取れなかったので、1年の準備期間をいただけてすごく嬉しいです」

teamau_2020_12_02_03.jpg
充実した表情で未来を見据える野口啓代選手。
最近は分子栄養学に基づいた料理にチャレンジされているようですが、始められた経緯を教えてください。

「今年の夏に血液検査をして、その結果から自分は鉄分や亜鉛などのミネラルが足りていないことがわかりました。食事を通して、不足している栄養を的確に補うことでパフォーマンスが上がるんだったら取り入れたほうがいいなと感じたんです。それに、大会の前日や当日の朝に何を食べるのが自分にとって一番いいのかも悩んでいた部分だったので、そこも補っていきたいなと思って始めました」

インスタグラムにはお洒落な料理の写真がアップされていますね。

「血液検査をした逗子の病院にレストランがあって、そこで出しているお料理を教えてもらっているので、飾りつけとかもすごいお洒落で(笑)。すべて米粉で作るグルテンフリーのシフォンケーキがあるんですけど、それがすごく美味しくて、食べてもらった家族も『グルテンフリーってわからないくらい美味しい』と言ってくれました」

最後に、2021年の抱負と応援してくださるみなさんへのメッセージをお願いします。

「世界的に見てもこのコロナ禍を乗り越えて迎える夏の大会は、2020年に開催されるはずだったものよりも感動的な大会になると思います。選手も世界中の方々も一丸となって、素晴らしい大会を迎えられるといいなと思っています。その中で自分が最高のパフォーマンスを発揮して、競技人生の有終の美を飾ることができたら嬉しいですね。来年も応援よろしくお願いします」

楢﨑智亜
時間が空いたことで、逆に強くなれた。

今年10月、盛岡で行われたジャパンツアーのスピード種目で、公式戦では日本人初となる5秒台(5.90秒)を記録しました。振り返ってみていかがでしょうか?

「ホッとしたのが一番ですね。5秒台を出して、コンバインドでスピードの順位をより上げることを目標にやってきたので、今年出せたのはすごく嬉しかったですね」

具体的にどの部分のムーブが速くなっていますか?

「去年の世界選手権とはムーブが全然違っていて、冒頭の"智亜スキップ"だったりランジまでは一緒なのですが、その後にマルチン・ジンスキ(ポーランド人のスピード種目専門選手)やサブリ・サブリ(インドネシア人のスピード種目専門選手)という選手のムーブも取り入れているので、後半が速くなったと思います」

慣れ親しんだムーブを変えていくのに怖さや不安はありませんでしたか?

「怖さはまったくないですね。どちらかというとムーブが変わる楽しさのほうがあります」

この「au CLIMBING WALL」の壁では、どのくらいのタイムを出せていますか?

「ここでは5.8秒まで出しています。でもスピードの大会は練習とは別ものなので、アドレナリンがないとダメなんです。5.8秒を出したのは8月の暑い時期で30℃以上ありました。その後、気温が下がってきてタイムが出なくなっていましたが、先日の盛岡では最後にコンペパワーじゃないですけど、いつも以上の力が湧き出て、なんとかタイムが出せたという感じです」

緊張感も大切だということですね。

「あとはユース世代の選手たちがスピードですごく育ってきているので、そういうことも自分の中では楽しみでもあります。負けてられないというか」

teamau_2020_12_02_04.jpg
今年10月、盛岡での寒さに負けずスピード日本記録を更新した楢﨑智亜選手。気温などの環境が良くなれば、5.6秒台に到達する手ごたえがあるという。(2020年12月現在での世界記録は5.48秒)
来年の大舞台に向けて暑さ対策にも取り組まれていたと聞いています。暑い中で登るのは普段と何が違いますか?

「夏場は冷房をつけずに登り込みました。一番の違いは滑りのところで、指皮のコンディションがすごく変わってくる。今は気温も湿度も低く、ホールドがパリッとして乾いているためすごく吸い付きがいいんですけど、夏はその部分が甘くなるのでストレスが大きいですね」

2020年を振り返ってみて、ご自身の中で成長した部分はどこですか?

「基礎トレーニングを大きく見直しました。コンバインドで根本的な体力不足を感じていて、3種目こなすことで徐々に疲れがたまっていく感覚がありました。その疲労感を感じずに最後まで行きたいという思いがあったので、登り込みの量を増やしましたし、ランニングなど普段やらないトレーニングも取り入れました」

ランニングとは、具体的には?

「スピードのための50mダッシュと、リードのための400mダッシュです。今までほとんどやったことがなかったのですが、キツ過ぎてびっくりしました(笑)。陸上選手の練習時間は短いと聞いていたんですけど、そりゃそうだなと。50mを20本、400mを8本くらいです。ダッシュして、ジョグで戻って、ダッシュしてという感じで、練習が終わった後に夜走っています」

ランニングのトレーニングを取り入れてみて、変わったという実感はありますか?

「体が強くなりましたし、疲れにくくなりましたね。最近、日本代表の愛媛合宿に行ってきましたが、3種目やってもほぼ疲れは感じませんでした」

こういったトレーニングができたのも、大会がない今年ならではでしょうか?

「こういうトレーニングをすると、大きい力を使うことに優先的に体が働いて、クライミングの感覚が落ちてしまい、一時的に弱くなってしまいます。それは久しぶりに大会に出て実感しました。でも、目先のパフォーマンスは下がりますが、最終的に考えたら絶対に強くなるということで、今年は思い切ってチャレンジしてみました」

teamau_2020_12_02_05.jpg
楢崎智亜選手はコロナ禍で大会がない期間を基礎トレーニングの見直しに充て、さらなる進化を目指している。
夏の大会が延期となりましたが、それに関してはどう受け止めましたか?

「もうしょうがないなという感じですね。去年の世界選手権から弱点だと思うところが何個かあった中で、1年では埋まり切らない部分もありました。そこで時間が空いたことで、逆に自分自身強くなれたのかなとプラスに捉えています」

最後に、2021年への意気込みと応援してくださる方々へのメッセージをお願いします。

「今年これだけ自分の中でしっかり準備ができたので、来年はしっかり実力を発揮して、夏の大一番で優勝したいですし、その後の世界選手権も優勝を狙いたいと思います。今まではアグレッシブでダイナミックな動きで勝つというイメージが強かったと思いますが、来年はどんな課題がきても勝てるクライマーになっているはずなので期待してほしいです」

ニュー智亜が見られる?

「ネオ智亜です(笑)」

楢﨑明智
今は、クライミングのことしか考えていない。

久しぶりにお会いしましたが、肩回りが少し大きくなった印象があります。

「筋トレは特にしていませんが、今年は登る量がすごく多かったです。リードでも持久トレーニングを多く取り入れていて、ベースが上がったのを実感しています。大会は少なかったですが、いい1年だったなと思います」

先日行われた「Top of the Top 2020(TOT)」(10月31日〜11月1日/愛媛・西条)では、リードで2位に入り、国内大会では久々の表彰台に上がりました。

「リードは持久力が上がって、単純にミスが減りました。これまではよく足が滑ったりしていたので、そういうところも注意して練習を重ねてきました」

持久力が上がり、落ち着きが増してミスが減ってきた感じでしょうか?

「自分の登る動画を見返していたら、登るペースが以前よりも遅くなっていました。それに加えて以前よりも前腕にゆとりがあるので、ミスが出にくい堅実なムーブを選べるようになったのではないかと考えています」

TOTのボルダリングでは5位。ボルダリングの仕上がり具合はいかがですか?

「最近はここ(au CLIMBING WALL)の壁で苦手な動きを練習していて、以前よりも苦手な課題に対する、見た瞬間の『あ、これ嫌だな』とか『この傾斜だと自分はできなそうだな』という感覚は減ってきています。登れる動きが増え、ムーブの幅が広がって楽しいですね」

穴がなくなってきて、苦手を克服できた感覚ですか?

「克服とまではいきませんが、決勝で6人いたら、そのうちの4、5人がクリアできる課題は登れるようにはなってきたかなという感じですね。1人しか登れないような真っ向系はまだ厳しいと思いますが」

teamau_2020_12_02_01.jpg
持久力が増してミスが減り、登りに安定感が出てきた楢﨑明智選手。
あらためて「au CLIMBING WALL」が完成してからの練習環境はいかがですか?

「最高の一言に尽きます。周りに人がいないので、すごく集中して練習ができています。ここで登り始めてからは今まで以上にクライミングしかしていないし、クライミングのことしか考えていないですね」

どのくらいの頻度で登っているのですか?

「週5くらいです。智くん(兄・智亜)に会う日も合わせると6、7日は来ているんじゃないですか(笑)」

1日のだいたいのスケジュールを教えてください。

「朝10時から練習をスタートして20時頃に終わります。長い日は朝7時に来てスピードをやって、23時までリードをする日もあります。僕はその間に昼寝を挟みますが、1日に2種目登る日は長いですね」

1つの施設の中に3種目の壁があるからこそできるトレーニングはありますか?

「先ほど言ったように、朝スピードをやって午後にリード、朝リードをやって午後にボルダリングをするなど、1日で複数種目を練習できることです。僕はコンバインド(3種目複合)の最終種目のリードでミスが多かったし、出し切れなかったことが去年は数回ありました。それでコンバインドのリードに苦手意識がありましたが、スピードやボルダリングの練習をした後に、重心の位置が変わった状態でリードの練習をすることによって、コンバインドの中の1種目1種目の繋がりができるようになりました」

年明けからボルダリングジャパンカップ(BJC)を皮切りに国内大会が予定されていますが、出場予定は?

「もちろん出場します。全部決勝に残りたいですね。特にボルダリングに苦手意識があるので、来年こそ、絶対に決勝には残りたいと思っています」

最後に、2021年に向けた意気込みをお願いします。

「今年は基礎トレーニングをたくさんしてきて、ベースが上がっているので、その成果を大会でお見せできたらと思っています。みなさんにも楽しみにしてほしいですね」

teamau_2020_12_02_06.jpg
大会の少ないこの1年をプラスに捉え、TEAM auは前に進む。

取材・文:CLIMBERS編集部
写真:田中伸弥

powered by climbers

商品・サービス
スマートフォン・携帯電話
インターネット回線
au HOME
エンタメ
ショッピング
ポイント・決済
auでんき
auの金融サービス
サポート
My au