サーキットクイーンになったきっかけは名探偵コナン！？

──SUPER GTはどのようなシリーズでしょうか？

央川さん：私はサーキットクイーンになる前はレースを見たことがなかったので、そもそもサーキットで何が行なわれているのかあまり分からずにサーキットクイーンになってしまいました。しかし、実際にサーキットに来て本当にびっくりしたのは、まず音ですね。レーシングカーの音はすごく大きいのですが、聞いていて不快な音ではなくて、とても心地よいサウンドという言い方がいいでしょうか。その意味ではサーキットであの音を聞くとテンションが上がりますね。

 もう1つ、サーキットに来てびっくりしたのは速度です。目の前をヒューン、ヒューンって通過していくレーシングカーを初めて見たときは本当にびっくりしました。

 また、マシンを降りると穏やかな人が多いですが、ハンドルを握ると性格が変わるってこういうことなんだと実感することが多いです（笑）。

──なぜサーキットクイーンになろうと思ったのかを教えてください。

央川さん：漫画の「名探偵コナン」がとても大好きで、事務所にスカウトされたとき、名探偵コナンのキャラクター（怪盗キッド）のキーホルダーをつけていたのですが、事務所の人から「サーキットクイーンをやっていたら、名探偵コナン関連の仕事ができるかもしれないよ。怪盗キッドの声優さんに会えるかもしれないよ」と言われて、それにまんまとハマってしまい始めることになりました（笑）。

 今だから正直に言えるのですが、最初はレースに興味があった訳ではなくて、名探偵コナンと怪盗キッドの声優さんに会えるなら！とオーディションを始めたのがきっかけになります（笑）。

──そして今はどっぷりハマっているという訳ですね？

央川さん：そうですね、今は完全にレースの世界にハマっています（笑）。auは名探偵コナンのスポンサーをしていて、映画の中の背景に「5G」があったのを見て以来、すごくテンション爆上げで、「私この会社のサーキットクイーンなんですよ！」と世界に向かって訴えたいぐらいで、オーディションの時もそれをいっぱい言ってアピールしました（笑）。そんなauがスポンサードされているこのチームのサーキットクイーンになれたときは、とてもうれしかったです。

サーキットクイーンになってよかった瞬間は、Instagramのフォロワーの女性がサーキットまで来てくれたこと

──サーキットクイーンになって大変だったことはありますか？

央川さん：やはり大変なのは体形の維持ですね。私はサーキットクイーンのお仕事を始めてから5kgぐらい体重を減らしました。（元々痩せているのにそこから5kgは大変では？と聞かれて）でも、サーキットクイーンの女性はみんな痩せている。私はその中でも一番になりたいと思っていて、何か飛び抜けてないと、ファンのみなさんにも振り向いてもらえないと思ってがんばりました。

──その状態を継続するのは大変ではないですか？

央川さん：私はご飯が大好きなので、油断すると食べちゃいます。結構太りやすい体質みたいで……それが悩みですね（苦笑）。去年までは近藤みやびさんとコンビを組んでいたのですが、みやびさんはすごく細くて、ラーメンとか太りそうな食事が大好きなのに全然太らないんですよ。だからみやびさんとコンビを組むようになってからは日々緊張感を持てるようになって一気に痩せることができました。

──そんなご苦労もされていますが、逆にサーキットクイーンになって、これはよかったということがあれば教えてください。

央川さん：私、実はサーキットクイーンの中でもInstagramのフォロワーが多い方なのです（2023年8月時点で約15.2万人）。フォロワーさんの多くはレースを知らない人なのですが、フォロワーになっていただいた方が、私に会いにサーキットに来てくれたときはとても嬉しかったです。結構女の子も多くて「かこちゃんがきっかけでサーキットに来ちゃいました」って言ってもらえた時は本当に嬉しかったです。

一番印象的なレースはau TOM'S GR Supraがチャンピオンを獲得した2021年の最終戦

──央川さんは2020年からau TOM'Sチームのサーキットクイーンをされています。ということは、2021年の最終戦でチャンピオンを獲ったときをチームの一員として目撃されていたと思います。あのときはどんな感じだったのでしょうか？

央川さん：あのときは文字通り「爆泣き」でしたね。その前年の2020年には、TOM'Sチームのもう1台が最終戦の最終ラップでチャンピオンになれず、競合メーカーの車両がチャンピオンを獲りました。そのことがあったので、最後の最後までどうなるか分からず、心臓バクバクで、勝ったときは爆泣きして、みんなで大盛り上がりになって大変でしたね。余韻も1か月ぐらい続きました。

──サーキットクイーンというお仕事をされていると、ファンの方と交流する機会が多いと思います。

央川さん：はい、ファンの方と交流するのは楽しいですね。ファンの中には、自分のマークになる服装やグッズをお持ちいただく方がいらっしゃいます。最近友人に子どもが産まれたのですが、その友人がスマホの裏にカチャカチャと音のなるおもちゃをつけていたので、「これはどうしてつけているの？」と聞いてみたんですよ。すると友人が「これをつけるとカメラ目線がもらえるからだよ、これがファンの皆さんの気持ちだよ」って説明してくれたのです。ファンのみなさんも服装やグッズで、いろいろ工夫をされてサーキットにお越しいただけるのはそういうことなんだなって腑に落ちました。

──なるほど、それはファンの方には重要な情報ですね、目線もらうには気を引くような服装やグッズで工夫と。

央川さん：ただ、その反動として、いつもその服装やグッズを持ってきてもらわないと分からなくなるという問題もあります（笑）。

お休みの日は1人散歩か1人カラオケ、十八番はMISAさんの「Everything」

──お休みの日は何をされていますか？

央川さん：私は1人がすごく好きで、1人で何か曲を聴きながらお散歩したり、1人カラオケに行ったりしています。過去に宝塚音楽学校にいたので、友人とかに歌がうまいと思われていたりして、みんなとカラオケ行くのが苦手な時期があり、それで1人でカラオケに行くことが多くなりました。

──ちなみに十八番はなんでしょうか？

央川さん：MISAさんの「Everything」とか、昔ミュージカルをやっていたので、ディズニーの曲はとても得意ですね。アリエルとかアナ雪とかがみんなに「うまい」と言っていただけることが多いので（笑）。

将来は後進女性たちのマネジメント業をやってみたい

──「au」のブランドメッセージ「おもしろいほうの未来へ。」にちなんで、最近「おもしろい」と思うことは何ですか？

央川さん：辻門アネラちゃんがめちゃくちゃおもしろいです（笑）。

──では辻門アネラさんのどこがおもしろいのか教えてください。

央川さん：一緒にレースを見ていても楽しいのですが、グランドスタンドの裏で行なわれているサーキットクイーンのステージで、他のサーキットクイーンさんがちょっと変わったポーズをしているねと言ってきて、自分たちの出番になったときに、私にしか見えないようにそのポーズをしてくるんです。しかも私がしゃべっているときにそういうことをしてきて、「しゃべっているときはやめて～」みたいな（笑）。私がしゃべっているときにやっても、お客さんとかには分からないじゃないですか。私にしか分からないのに、本当意味不明です（笑）。

 あと、LINEでめちゃくちゃメッセージを送ってくるのですが、新幹線で隣に座っている人の行動とか、どうでもいいことを逐一報告してくるとか（笑）。とにかく一緒にいてめちゃくちゃおもしろいです。

──レースが終わったあとは直帰される感じですか？

央川さん：サーキットクイーンの仲閒と食事に行ったりしますよ。今なら辻門アネラちゃんとチームのコントローラーさん（サーキットクイーンのスケジュール管理などを担当するマネージャー）と一緒に食事に行ったりします。土曜日（レースの予選が行なわれる日）は結構遅く終わっても、なんかお話しがしたいので、疲れていてもどこかご飯に行って食べることが多いです。

──今後サーキットクイーンとしてどのようになっていきたいですか？

央川さん：私がサーキットクイーンになったのは、名探偵コナンが好きだったことがきっかけですが、その次のきっかけとしては、女性が活躍できるようにマネジメントをしていきたいというのがありました。実はそれが10代からの夢の1つでした。でも自分がせっかくスカウトしてもらったので、まず自分がプレイヤーとしてやってみよう、そうしたら将来自分がマネジメントする側になってもプレイヤーの気持ちが分かると思ったということもありました。

 今のように、いいチームでチャンスをもらいお仕事させていただいているので、ちゃんと人気がでるようにして、その後は何年後になるかは分かりませんが、後進の女性たちの育成側にまわっていきたいと思っています。