2020 SUPER GT REPORT 第3戦 鈴鹿サーキット

2020 SUPER GT REPORT
第3戦 鈴鹿サーキット < 予選 >

2020年8月22日(土) 来場者:無観客  
天候:晴れ

富士スピードウェイでの2連戦を終え、第3戦の舞台は夏本番の鈴鹿サーキットへ移った。36号車au TOM'S GR Supraは、30ポイントでランキングトップ。ポイントに対して2倍のウエイトハンディ60kgを搭載して臨む。実ウエイトも車速を奪う要因だが、それ以上に燃料リストリクターの装着で燃料流量を少なくされているためにトップスピードが削がれる。厳しい状況の中で予選Q2へ進出することはできず、12番手のグリッドから決勝をスタートすることとなった。

  • ・ 規定によって51kg以上のウエイトハンディを背負うことになる車両には、実ウエイトと燃料の流量を規制する燃料リストリクターが装着される。36号車は、実ウエイト43kg 1段階細いリストリクターが1段階の装着によって規制されている。
  • ・ サッシャ・フェネストラズが、Q1を担当した。
  • ・ 2周のウォームアップでタイヤを温め、3周目からタイムアタック、4周目に1分47秒768をマーク。このタイムは12番手となって、上位8台のQ2への進出をすることができなかった。
  • ・ 関口雄飛が予選を走行することはできなかった。
Driver Car No. Qualifying 1 Qualifying 2
サッシャ・
フェネストラズ
36 P12
  1. 1’47.768
関口 雄飛
天候 / 路面 気温 / 路面温度
晴れ / ドライ 33℃〜34℃ / 48℃〜48℃

サッシャ・フェネストラズ 36号車ドライバー

「GT500クラスのマシンで鈴鹿を走るのは初めてだったので少し緊張しました。そして、重いウエイトと燃料リストリクターでスピードが出せないから二重に難しい状況の中で走行する予選でした。マシンのバランスは問題なく、自分としてはできる限りのことをできたと思います。それでも、Q2に進出できなかったのは残念です。
燃料リストリクターが装着された状態で走るのも初めてでした。ある状態から急激にスピードが出なくなるのではなくて、自然にパワーが出てくれないという感覚は初めてでした。その状況は、練習走行でGT300クラスのマシンをパスするのにも苦労するほどでした。この状況だと決勝でも苦戦が予想される。ドライコンディションよりもウェットコンディションの方がポジションを上げるのには良いかもしれません。なんとか順位を上げてポイントゲットして終えたいです。」

関口 雄飛 36号車ドライバー

「Q2進出とはいかなかったですけれど、マシンの調子は悪くないし、サッシャと細かに情報交換もできているので、不安はないです。レースになったら前のマシンたちを抜いてできるだけ順位を上げることしか考えてないです。ウエイトハンディが厳しいですが、マシンに乗ったらそれを考えずに、走るのみです。」

吉武 聡 36号車エンジニア

「ドライバーのコメントを総合するとマシンのバランスは良好であると聞きました。予選のアタックでサッシャが少しセクター1の1コーナーでミスがあったと聞いています。実ウエイトだけならコーナリングのスピードには大きな影響は無いのですが、ホームストレートとバックストレートで燃料リストリクターによってスピードが伸びず、結果的にタイムも良く無いです。シミュレーターで0.5秒ほど遅くなるというデータがあるので、燃料リストリクターがなかったらQ1は突破していたので、それなりのタイムだと判断しています。決勝はストレートスピードが伸びないので他車を抜くことができないし、抜かれるという展開も覚悟する厳しいレースになる中で淡々と順位を上げるしかないですね。」

東條 力 チーフエンジニア

「実ウエイトの40kg台の重さというのは、速さに対してそれほど大きな影響を及ぼすものでは無いですね。他のマシンで40kgくらいのウエイトを積んでいて燃料リストリクターがなければ、予選2列目まで行っているでしょう。やはり燃料リストリクターでストレートスピードが遅いというのはどうしようもない。今回トムスは、auの36号車もKeePerの37号車も燃料リストリクターが入っているわけですから、何か特別なことを施すのではなく、この状況下で淡々とレースをして、5点を獲得して帰る。それが目標です、それができれば上出来だと思います。今回計測3周目からのタイムアタックを行ってもらったのですが。今日の路面温度では計測2周目からのアタックの方が良かったです。予選後の分析を行います。」

伊藤 大輔 36号車監督

「決勝前の練習走行でタイヤのチョイス、そしてセッティングを試した後に臨んだ予選です。やはりアクセルの全開率が高いこの鈴鹿では、ストレートでのスピードが伸びないのは如何ともし難い状況です。Q1突破、Q2進出を狙っていたのですが、少し足りなかったです。この足りなかった部分をどのようにして決勝で改善するかが課題です。前に位置しているライバルたちも決勝でどのような走りをするか、そして天候もどうなるかは不確定です。予報が二転三転しているので、それも含めてなんとか順位を上げられる作戦を考えて決勝に臨みます。二人のドライバーがとても落ち着いているので、不安もないし、チーム全体として最大5ポイント=6位を目指したいです。」

舘 信秀 総監督

「ウエイトと燃料リストリクターの一段階の状況では、この予選順位が順当というか、仕方がないのだろうと判断する。予選は一発の速さが必要だけれど、決勝は安定した速さと強さが伴えば、順位をあげることは無理ではないと思う。12番手のポジションから得点圏内を目指したい。それができれば上出来と思っている。それは獲得ポイントが多ければそれに越したことはない。決勝に強いトムスを披露してもらいたい。」

2020 SUPER GT REPORT
第3戦 鈴鹿サーキット
< 決勝 >

2020年8月23日(日)  来場者 : 無観客  
天候 : 晴れ

36号車au TOM'S GR Supraは、GT500クラス参加車両の中で最も重いウエイトハンディを背負いながら3位フィニッシュを果たした。この結果は優勝するにも等しい素晴らしい結果だった。クラス15台の12番手から決勝をスタート。3度のセーフティカーが導入された荒れた展開の決勝の52周。絶妙なタイミングでピットインして大きく順位アップ。他車のアクシデントで順位アップするという運にも恵まれて開幕戦から連続の表彰台を獲得した。今回の一戦で関口雄飛がスーパーGT100戦目を記録している。

  • ・ サッシャ・フェネストラズがスタートドライバーを担当した。
  • ・ 1周目からアクシデントが起こってセーフティカーがコースイン5周目からレースが再開された。
  • ・ 接触が多発する状況でもフェネストラズは、アクシデントに巻き込まれることはなく、
    2回目のセーフティカーランが終了した後22周し、8位時点でピットイン、ドライバー交代した。
  • ・ このピットインのタイミングが好判断だった。関口雄飛がコースに復帰した時点で2ポジションアップ。全車がピットインを終えて、5位まで躍進。
  • ・ 36周目にヘアピンの直前で前を行く2台が接触して後退、3位へ。
  • ・ 11点を獲得。トータル41点。次戦はウエイトハンディ82kgを背負うこととなった。
Driver Car No. Race Result / Fastest Lap
サッシャ・
フェネストラズ
36 P3
  1. 1’50.413
  2. 1’51.165
関口 雄飛
天候 / 路面 気温 / 路面温度
晴れ / ドライ 32℃ / 48℃〜49℃

サッシャ・フェネストラズ 36号車ドライバー

「GT500クラスで初めて鈴鹿の決勝だったのでとても緊張しました。絶対に接触したり、アクシデントに巻き込まれることがないように注意して自分のスティントを走行しました。だんだんとフロントタイヤが摩耗してしまい、それが徐々に悪化してしまったのでとても心配でした。その状況を無線でチームに連絡しながら周回を重ねていきました。燃料リストリクターによってストレートスピードが伸びないのでGT300クラスのマシンをパスするのも大変でしたが、ピットインの指示がグッドタイミングでした。その後は雄飛が素晴らしいドライブで順位をアップしながら周回して、最後は3位まで順位アップできたのは本当に信じられなかったです。すごい結果です。でも、次のもてぎではもっとストレートが遅くなると思うと、それを今は考えたくないです(笑)」

関口 雄飛 36号車ドライバー

「サッシャが頑張ってくれたし、チームからのピットインのタイミング、作戦が素晴らしかった。ピットアウトした時点で何台もパスできていました。サッシャの情報で、フロントタイヤが苦しくなるというのを聞いていたので、自分のスティントの序盤はフロントタイヤをあまり酷使しないように心がけていました。結果最後までプッシュすることができました。運も良かったと思います。ウエイトハンディが重くても、リストリクターがあってもこの順位まで上がれたのは、本当に良かったです。これからがもっと苦しくなると思いますが常に全力で戦っていきます。」

吉武 聡 36号車エンジニア

「5位、6位まで順位アップできればと考えていたのですが、3位というのは上出来ですね。ラッキーな面もありました。トラフィックの処理も良く順位を上げられました。ピットインのタイミングと作業がとても早くて、そこで結果的に4ポジションくらいを上げることができました。サッシャからのタイヤ情報によって関口が序盤を少し抑え目にしてくれたのは最高なタイヤマネージメントでした。スタート前にアンダーステアー傾向の処置はしたのですが、高い路面温度状況では、やはりラップ数が進むとどうしてもアンダーが出てしまったようです。この対処は今後の課題です。41ポイントで82kgのハンディ、リストリクターが2段階入ります。相当きついですが、ポイントゲットを狙っていきます。」

東條 力 チーフエンジニア

「すごい結果ですね。状況を見ていると、コース上で完全にパッシングしたのはチームメイトの37号車をパスしたくらいですが、ピットインと、他車の脱落でどんどんと順位アップしたという展開でした。今日は、ピット作業がとても早かったです。全体としてミスが無かったこと、それがこの結果に繋がりました。そして、二人のドライバーのドライブは、安心して見ていられます。混戦模様のレースの中でも36号車は、単走で周回できたことが多かったので、タイヤマネージメントも上手くできたし、後ろからポールスタートの64号車追ってきても、差が詰まるまで待って、そこでスパートして差を広げるという見事な走りでした。」

伊藤 大輔 36号車監督

「ドライバーの二人が素晴らしい仕事をしてくれました。燃料リストリクターによってストレートスピードが伸びない状況は、ストレスがすごいですから、サッシャには無理することはないと声をかけて送り出しました。彼は荒れたレースでもアクシデントに巻き込まれることなく自分のスティントをちゃんと走りきりました。2回目のセーフティカー明けでピットインさせる判断は良かったです。雄飛をGT300の集団の前でコースインさせることができたし、その後雄飛がタイヤをいたわりながら、ここぞという時にプッシュしてくれる素晴らしいパフォーマンス。本当に二人のドライバーの仕事は素晴らしかったし、ピットワークも迅速でした。最後に運も巡ってきての3位。次のもてぎはリストリクターが二段階へ規制されるし、コースの特性でより厳しい状況が予想されます。ポイントゲットを目標に臨むのみです。」

舘 信秀 総監督

「チーム力の真価が問われるのは、このレースだとチームに激をとばした。そうしたら思ってもいなかった3位。開幕戦から三連続の表彰台という素晴らしい結果を残してくれた。混乱するレースにあって、大きなトラブル、アクシデントにも巻き込まれずに、そして、ピットインのタイミングが絶妙だったし、ピット作業もとても早かった。参加車中最も重いハンディを背負って戦っているマシン、チームとは思えない走りと結果だった。まだ3戦を終えただけだが、チャンピオンを意識できる高得点を獲得している。第4戦のもてぎは燃料リストリクターが二段階となるので、相当辛いレースになる。それでもポイント獲得を目指したい。」