リチウムイオン電池は、スマートフォンなど私たちの生活のあらゆる場面で使われていますが、その扱いや処分には注意が必要です。近年、リチウムイオン電池が搭載された製品からの火災が増加傾向にあるため、正しい知識を身につけ、安全な使い方や適切な処分を行いましょう。
ここでは、リチウムイオン電池の安全な使い方、注意すべきポイントおよび適切な処分方法について関連する記事を紹介しながら解説します。
【目次】
東京消防庁によると、近年、スマートフォンやモバイルバッテリーに使用されているリチウムイオン電池が出火するケースが増えており、令和5年中は167件(速報値)発生し、過去最多となっております。
携帯電話機(スマートフォン)の要因別でみると、分解・廃棄(ごみ収集時は除く)などがワーストで外部衝撃(落下・外力)などとあわせると約9割を占める状況です。
●東京消防庁資料より
リチウムイオン電池関連火災状況
火災事故要因別(令和5年)
携帯電話・スマートフォンの火災事故要因別(令和5年)
リチウムイオン電池は熱や衝撃に弱いといった性質があり、その扱い方を誤ると、発煙・発火・過熱に伴う火災事故などが起こる場合があります。
スマホ本体に内蔵されているためリチウムイオン電池の状態はわかりにくいですが、非常に繊細な部品で強い荷重や衝撃などにより電池内部がショートを起こすと発煙・発火につながります。
リチウムイオン電池の内部は、+極と-極をセパレータ(絶縁膜)で隔離している構造となっています。外部からの強い圧迫や衝撃を与え、変形や損傷させてしまうことでセパレータが破損すると、内部ショートが発生し、電池の発煙・発火、破裂にいたる場合があります。
東京消防庁でも要因ワーストとなっておりますが、スマートフォンの分解はリチウムイオン電池を損傷させる可能性があるため、絶対にやめてください。
スマートフォンの電池は容量が大きくなり、基板などの部品は小型化される傾向にありますので、スマートフォン内部に占めるリチウムイオン電池の割合はどんどん大きくなっています。
スマートフォンの筐体の隙間にドライバーなどを挿しこみ、こじる行為などでリチウムイオン電池を傷つける可能性があります。
また、一般の方がスマホを分解した場合、メーカーの修理を受けられなくなる可能性があり、別の観点では分解を行った後に電源ONにすると、法律違反(電波法違反)になります。
再現実験を実施したKDDIプロダクト品質管理部 月本
再現実験の様子
再現実施後のリチウムイオン電池の状態
スマートフォンを処分するために、分別しリチウムイオン電池を取り外そうとして発煙・発火したケースもあります。
不要になったスマートフォンは最寄りのau Style/auショップなど通信キャリアのショップにて回収をおこなっております。
分解をせず、最寄りのau Style/auショップなど通信キャリアのショップへお持ちください。
詳しくは下記記事を参考にしてください。
スマートフォンにはリチウムイオン電池が使用されており、ゴミ収集やゴミ処理場での圧縮で強い力や衝撃を与えられることが原因で火災を引き起こす可能性があります。
一般のゴミとして処分することは絶対に避けてください。
不要になったスマートフォンは最寄りのau Style/auショップなど通信キャリアのショップにて回収をおこなっております。
分解禁止以外で外部衝撃(落下・外力)など NG行動例に関して記事を紹介します。
注意すべきポイントについて記載しておりますので参考にしてください。
スマートフォンを落とすなど強い衝撃が加わった際に内部のバッテリーや回路に損傷が発生すると危険な状態になります。実験結果をもとに掲載しております。
そのほか、非純正充電器では、適切に電圧を管理できなかったり、過電流を引き起こす危険性があります。純正・公式の充電器、もしくは「MCPC認証充電器」のご利用を強くおすすめしております。
寒い冬は、ポケット内の使い捨てカイロやストーブのそばなど思わぬ高温になる環境での利用が多くなりますが、リチウムイオン電池は熱の影響を受けやすく、故障・膨張・発火の恐れがあり、危険となります。実験結果をもとに掲載しております。
夏、車の中は非常に高温になり、放置するのは危険です。リチウムイオン電池は熱の影響を受けやすく、故障・膨張・発火の恐れがあり、非常に危険となります。車内での温度上昇につき、実験結果をもとに掲載しております。
うっかりしてやってしまいがちな取り扱いについて、実験結果をもとに掲載しております。
KDDI・ドコモ・ソフトバンク・楽天モバイルでは、MCPCと連携して、スマホを安全にご利用いただくための情報を発信しています。
【参考】
・令和6年12月5日 消費者庁公表