自転車でのスマホ利用はダメ!
視認性悪化やイヤホン遮音性の実験結果をもとにプロが解説

2026年3月19日

何をするにも一緒なスマホ。

歩きながら、食べながらなど、「ながらスマホ」で一日過ごしていませんか?
自転車の「ながらスマホ」について、やってはいけないこと、気をつけないといけないことなどを解説します。

携帯電話のながら運転は30万円以下の罰金!? イヤホンのながら運転で5,000円の反則金も

警察庁によると、携帯電話など使用の自転車の交通事故は増えており、令和8年4月1日から、自転車の交通違反に「交通反則通告制度」が導入されます。

交通反則通告制度は、16歳以上の一定の違反を反則金で迅速に処理することにより、事故抑止と安全利用を図るもので、ながらスマホ(携帯電話の使用)や周囲の音が聞こえない状態でのイヤホン使用は禁止されており、重大事故につながる危険行為として厳正に対処されます。

詳細は以下をご確認ください。

説明図:通話しながらの運転は片手運転となり、ブレーキも掛けにくい状態となるほか、周囲の音が聞こえにくくなり、他車の存在に気づきにくくなります。また、画像を注視しながらの運転は、文字や動画に集中してしまい、歩行者の存在を見落としたり、意図せず信号を無視してしまうなどの危険があります。*携帯電話使用の自転車関連死亡・重傷事故件数は増加傾向

以下、自転車ルールブックより抜粋した情報です。

携帯電話使用の禁止

自転車を運転するときは、携帯電話・スマホ等を使って通話したり、表示された画像を注視することが禁止されています。

携帯電話・スマホ等を使用して、実際に事故を起こしたり、歩行者の通行を妨害したりするなどして、実際に交通の危険を生じさせたときは、携帯電話使用等(交通の危険)として、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金が科されます。

また、手に保持して通話したときや、手に保持して画面を注視したときも、携帯電話使用等(保持)(反則行為)として、反則金(1万2,000円)の対象となります。

これは自転車の反則金中で最も高額となっています。

イヤホンをしながらの運転

自転車に関するルールの中には、公安委員会が個別に規定しているものがあり、イヤホンをつけて周りの音が聞こえない状態での運転※1は、全ての都道府県で禁止されています。

イヤホンをつけての運転は、周囲の音が聞こえず、自動車や歩行者の動きに気付けなくなり、重大な事故に発展するおそれがあります。

これらに違反すると、公安委員会遵守事項違反(反則行為)として、反則金(5,000円)の対象となります。

  1. ただし、イヤホンを片耳のみに装着しているときや、オープンイヤー型イヤホンや骨伝導型イヤホンのように、装着時に利用者の耳を完全には塞がないものについては、安全な運転に必要な音又は声が聞こえる限りにおいて、違反にはなりません。

KDDIの取り組み:自転車のながら運転VR体験と、イヤホンが「音の認知」に与える影響調査

自転車の「ながらスマホ」の危険性を調査するため、愛知工科大学の小塚一宏名誉・特任教授の監修のもと、京都府、KDDI、au損保、UNN関西学生報道連盟(京都大学、同志社大学、立命館大学、京都女子大学ほか)による実験を実施しました。

その結果、自転車で「ながらスマホ」運転をすると、視線が頻繁にスマートフォンへ向かい、周囲の歩行者を注視する時間が23%まで減少するなど、運転に十分集中できていないことが明らかになりました。

「ながらスマホ」運転の場合、運転に集中できていないイメージ

「ながらスマホ」運転の場合、しばしば視線がスマホに行き、運転に集中できていない。

この時の様子は以下の動画で参照いただけます。

また、KDDIでは、VRやリスクシュミレーターを活用した自転車のながら運転を体験できるコンテンツを作成し、自治体や学校などと連携したイベントなどで体験いただくと共に危険性や問題点を考えていただく機会を提供する活動をしています。

VRを使った「自転車のヒヤリハット体験」の様子

イヤホンで何が聞こえなくなる?ノイズキャンセリングが自転車運転に与える影響

イヤホンをつけて周りの音が聞こえない状態での自転車の運転も、交通事故につながる可能性があり、すべての都道府県で禁止されています。

イヤホンの音楽再生やノイズキャンセリング機能が、周囲の交通音の認知にどのような影響を与えるのかを実験しました。

説明図:実験に使用したイヤホン カナル型:耳の穴にフィットする形状。外部の音を遮断しやすい。2パターンの動作切り替えができる※1イヤホンを使用。①ノイズキャンセラー「ON」:周囲の音を消す。②ノイズキャンセラー「OFF」:周囲の音を収音し、音楽とともに出力する※2。 ※1:イヤホンの機種により、動作モードや機能が異なる場合があります。※2:イヤホンの機種により、「アンビエントモード」や「トークスルーモード」など、呼び方が変わります。
  1. 「道路のノイズ音」の音源を、ダミーヘッドに向けてスピーカーから出力。
    車のタイヤとアスファルトの摩擦音。車が近づくにつれて変化。車に追い越される瞬間が分かる。
  2. 任意に選んだカナル型イヤホンをダミーヘッドに装着し、「道路のノイズ音」がどう聞こえるか、下記のパターンを比較考察する。

パターン①:音楽再生無しで、イヤホンのノイズキャンセラーON、またはOFF

パターン②:音楽再生ありで、イヤホンのノイズキャンセラーON、またはOFF

実験に使用したダミーヘッド

(人の形を模した音響測定用機材。耳の中にマイクが入っている)

実験結果

  1. 音楽再生なしの場合

ノイズキャンセラーOFF

低音域はある程度残るものの、高音域が大きく減衰。

音の質が変化し、車両の動きを判断しにくい状態となりました。

説明図:音楽再生なし時の周波数特性 ノイズキャンセラーOFFの場合、道路のノイズ音が低い音はそのまま聞こえるが、高い音が聞こえ難くなる

ノイズキャンセラーON

車の走行音など道路の音は、掃除機が動いている室内や騒がしい街頭の音量(約70dB)から、図書館や静かな住宅の室内程度(約40dB)まで小さくなりました。

このレベルでは、後方から近づく車の音に気づきにくくなります。

説明図:音楽再生なし時の周波数特性 ノイズキャンセラーONの場合、道路のノイズ音が低い音も高い音も訳20~30デシベル小さくなり、聞こえ難くなる
  1. 音楽再生ありの場合

ノイズキャンセラーOFF/ONとも、更に音楽が加わることで、ますます周囲の道路音が聞こえなくなりました。

まとめ

自転車での「ながらスマホ」やイヤホンをつけた状態で周囲の音が聞こえない状態での運転は、視認性や音の認知を低下させ、事故の危険性を高めます。

こうした危険行為に対し、令和8年4月1日からは青切符制度が導入され、反則金や罰則の対象となります。

自分と周囲の安全を守るため、自転車に乗る時はスマートフォンやイヤホンの使い方を見直しましょう。

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