「EZアプリ(J) 実行環境」は、CLDC1.1/MIDP2.0仕様および以下の拡張APIで作成されたEZアプリ(J) が動作します。
- FileConnection (JSR 75)
- Location API for J2ME (JSR179) (2011年秋冬の一部端末より利用可能)
- com.mascotcapsule.micro3d.v3
- com.kddi.oap.opgl (EZアプリ(J) KDDI拡張)
- com.kddi.oap.graphics (EZアプリ(J) KDDI拡張)
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94KB |
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そのほか、Mobile Media API (JSR 135)、Mobile 3D Graphics API for J2ME (JSR 184) などの拡張APIには対応していません。
対応端末にEZアプリ(J) をダウンロードするには、JadファイルとJarファイルの2つのファイルが必要です。
以下にEZアプリ(J) 実行環境特有の仕様に関して説明します。
■Jadファイル仕様
JadファイルはEZアプリ(J) の内容や振る舞いなどの情報がテキスト表現で記載されたファイルです。Jadは、Java Application Descriptorの略です。
EZアプリ(J) で対応している項目は以下の通りです (必須項目が無い場合、インストールエラーとなります)。
属性名 |
必須 |
内容 |
MIDlet-Name |
○ |
表記名を記載します。3〜32バイトの文字列である必要があります。 |
MIDlet-Version |
○ |
EZアプリ(J) のバージョンを記載します。数値3桁でn.n.nの書式である必要があります。 |
MIDlet-Vendor |
○ |
EZアプリ(J) の開発元を記載します。3〜32バイトの文字列である必要があります。 |
MIDlet-Jar-URL |
○ |
Jarファイルのダウンロード先URLを記載します。5〜256バイトの文字列である必要があります。 |
MIDlet-Jar-Size |
○ |
Jarファイルのサイズをバイト単位で記載します。実際のサイズと一致している必要があります。 |
MIDlet-Icon |
|
アプリのアイコンを指定します。32×32ドットのサイズを持つPNGフォーマットである必要があります。 |
OAP-Icon-S |
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アプリ一覧の小アイコンを指定します。32×32ドットのPNG、または64×64ドットのPNGに対応しています。 |
OAP-Icon-M |
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アプリ一覧の中アイコンを指定します。48×48ドットのPNG、または96×96ドットのPNGに対応しています。 |
OAP-Icon-L |
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アプリ一覧の大アイコンを指定します。192×192ドットのPNG、または384×384ドットのPNGに対応しています。 |
MIDlet-Description |
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EZアプリ(J) の説明を記載できますが、利用されません。1024バイト以内の文字列である必要があります。 |
MIDlet-Data-Size |
|
必要とするRMSのサイズを記載します。記載しない場合は0キロバイトとみなされます。 |
MIDlet-Info-URL |
|
EZアプリ(J) の情報が得られるサイトのURLを記載します。記載があった場合、アプリ詳細情報の画面からサイトへ移動することが可能になります。256バイト以下の文字列である必要があります。 |
MIDlet-1 |
○ |
Jarファイル内のアプリを指定します。ひとつのJar内部に複数のアプリを格納できません。必ずひとつである必要があります。 |
OAP-Screen-Size |
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アプリが表示する画面サイズ ("QVGA"/"WQVGA"/"VGA"/"WVGA") を指定できます。指定されていない場合は、"QVGA"が指定されたとみなされます。 |
OAP-Backup |
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microSDカードへのバックアップ許可設定 ("Y"/"N") が指定できます。指定されていない場合は、バックアップ不可"N"が指定されたとみなされます。 |
OAP-Flip-Stop |
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メイン液晶が見えない状況のときに、EZアプリ(J) を動作させるか("Y"/"N")の指定ができます。
指定されていない場合は、動作しない"N"が指定されたとみなされます。 |
OAP-Config-AutoPause |
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ユーザが無操作時に、EZアプリ(J) が一時停止するまでの時間("SHORT"/"LONG")の指定ができます。
指定される時間は"SHORT"が10分間、"LONG"は30分間で、指定されていない場合は、""SHORT""が指定されたとみなされます。 |
OAP-3DG-API |
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MascotCapsule v3 やOpenGL機能を利用するときに必要な指定("mcv3"/"opgl")になります。 |
- ※ ファイルは必ずUTF-8で記載されている必要があります。
■Jarファイル仕様
EZアプリ(J) を含むクラスファイルや、EZアプリ(J) で利用する画像や音声などのリソースファイルをまとめたファイルです。JarはJava ARchiveの略です。
複数のMIDletには対応しておりません。
■Jad、Jarファイルのサイズ上限
EZアプリ(J) 実行環境において、Jadファイルは10キロバイトまで、JadファイルとJarファイルの合計で2メガバイトまでのサイズ制限があります。2メガバイトを超えた場合は、インストールエラーとなります。
■EZアプリ(J) のヒープサイズ上限について
EZアプリ(J) が利用可能なヒープメモリは、最大16メガバイトまでです。
■ディスプレイ
WVGAサイズもしくはそれ以上の画面サイズを持つ端末では、Jadファイルに "OAP-Screen-Size:" の設定を追加することにより、横480ドット、縦752ドットの表示を行うことが可能です。QVGA、WQVGAの指定をした場合は、端末側機能により倍角表示が行われ表示されます。

■オフスクリーンイメージ
作成できるオフスクリーンイメージの最大サイズは、WQVGA/QVGAの場合、描画可能サイズ+32ドットに、WVGA/VGAの場合、描画可能サイズ+64ドットになります。
Jadファイルの "OAP-Screen-Size:" が、
WQVGA指定の場合は、短辺272×長辺408 (240+32×376+32)、
QVGA 指定の場合は、短辺272×長辺328 (240+32×296+32)、
WVGA 指定の場合は、短辺544×長辺816 (480+64×752+64)、
VGA 指定の場合は、短辺544×長辺656 (480+64×592+64) になります。
■ソフトキー
6バイトまでの文字列が表示可能です。優先順位が高い物が左側 (SOFT1) に表示されます。3つ以上指定された場合、右側 (SOFT2) に「menu」と表示され、選択式になります。
■フォント
フォントは固定ピッチフォントとして、
WQVGA/QVGA指定アプリの場合、SMALL、MEDIUM、LARGEがそれぞれ12×12、16×16、20×20ドットのフォントに対応し、
WVGA/VGA指定アプリの場合、SMALL、MEDIUM、LARGEがそれぞれ24×24、32×32、40×40ドットのフォントに対応しています。
フォントスタイルはPLAINとUNDERLINEのみ対応しています。
■キーイベントの対応
キーイベントはCanvasクラス、GameCanvasクラスにて以下のものが取得できます。

端末入力 |
x=Canvas.keyPressed
(code) |
getGameAction(x) の
変換結果 |
Canvas.getKeyState() の
ビット |
0キー |
KEY_NUM0(48) |
0 |
0 |
1キー |
KEY_NUM1(49) |
GAME_A(9) |
GAME_A_PRESSED(512) |
2キー |
KEY_NUM2(50) |
UP(1) |
UP_PRESSED(2) |
3キー |
KEY_NUM3(51) |
GAME_B(10) |
GAME_B_PRESSED(1024) |
4キー |
KEY_NUM4(52) |
LEFT(2) |
LEFT_PRESSED(4) |
5キー |
KEY_NUM5(53) |
FIRE(8) |
FIRE_PRESSED(256) |
6キー |
KEY_NUM6(54) |
RIGHT(5) |
RIGHT_PRESSED(32) |
7キー |
KEY_NUM7(55) |
GAME_C(11) |
GAME_C_PRESSED(2048) |
8キー |
KEY_NUM8(56) |
DOWN(6) |
DOWN_PRESSED(64) |
9キー |
KEY_NUM9(57) |
GAME_D(12) |
GAME_D_PRESSED(4096) |
*キー |
KEY_STAR(42) |
0 |
0 |
#キー |
KEY_STAR(35) |
0 |
0 |
上キー |
-1 |
UP(1) |
UP_PRESSED(2) |
下キー |
-2 |
DOWN(6) |
DOWN_PRESSED(64) |
右キー |
-4 |
RIGHT(5) |
RIGHT_PRESSED(32) |
左キー |
-3 |
LEFT(2) |
LEFT_PRESSED(4) |
選択キー |
-5 |
FIRE(8) |
FIRE_PRESSED(256) |
SOFT1キー |
-6 |
GAME_A(9) |
GAME_A_PRESSED(512) |
SOFT2キー |
-7 |
GAME_B(10) |
GAME_B_PRESSED(1024) |
SOFT3キー |
-20 |
GAME_C(11) |
GAME_C_PRESSED(2048) |
SOFT4キー |
-21 |
GAME_D(12) |
GAME_D_PRESSED(4096) |
CLRキー |
-8 |
0 |
0 |
発信キー |
-10 |
0 |
0 |
- ※ SOFT3キー、SOFT4キーに対応しない端末も存在します。
ポインターイベントには対応していません。
getKeyCode(x)
x |
getKeyCode(x) の変換結果 |
UP(1) |
-1 |
LEFT(2) |
-3 |
RIGHT(5) |
-4 |
DOWN(6) |
-2 |
FIRE(8) |
-5 |
GAME_A(9) |
KEY_NUM1(49) |
GAME_B(10) |
KEY_NUM3(51) |
GAME_C(11) |
KEY_NUM7(55) |
GAME_D(12) |
KEY_NUM9(57) |
そのほか |
exception |
■通信仕様
HTTP/HTTPS通信が可能です。
そのほか、TCPソケット、UDPソケットは利用できません。また、同時接続は1接続のみです。
項目 |
メソッド |
説明 |
送信 |
GET |
最大1キロバイトまでのリクエストライン、16キロバイトまでのヘッダ、を送出可能です。 |
POST |
最大1キロバイトまでのリクエストライン、16キロバイトまでのヘッダ、および1メガバイトまでのボディを送出可能です。 |
受信 |
|
レスポンスヘッダからレスポンスボディまですべてを含め、最大1.2メガバイトまでを受信可能です。 |
通信時には、必ずユーザーに対し接続前確認を行います。
■音源について
MIDIファイル (audio/midi)、WAVEファイル (audio/x-wav)、Tone Sequence (audio/x-tone-seq)、SMAF Phrase (application/vnd.yamaha.smaf-phrase) の再生が可能です。
MIDIファイルとTone Sequenceを合計して最大4本 (ToneSequenceは同時再生最大1本)、WAVEファイルは4本、SMAF/Phraseは4ファイルまでの同時再生が可能になりますが、MIDIやWaveと、SMAF/Phraseの同時再生は不可になります。
MIDIファイルはSMFフォーマット0、また16チャンネルのMIDIイベント、音色拡張などのExclusiveメッセージに対応しています。
最大同時発音数は4本合計して64音です。
WAVEファイルは、8bit/16bit PCMとヤマハADPCMフォーマットに対応しています。
■システムプロパティ
システムプロパティにセットされる情報を以下に記します。
ID |
格納値 |
microedition.platform |
端末名を "au-" の背後に付与して返却します。ex: "au-X001" |
microedition.encoding |
"SJIS" |
microedition.configuration |
"CLDC-1.1" |
microedition.locale |
"ja-JP" |
microedition.profiles |
"MIDP-2.0" |
com.kddi.midlet.args |
EZアプリ(J) 起動時のパラメータ |
com.kddi.dev.intensity |
電界強度 "0" (=圏外)、"1"、"2"、"3"、"4" (=アンテナ3本) |
com.kddi.dev.memcardstate |
MicroSDカード有無情報 "0" (無)、"1" (有)、"2" (非搭載) |
com.kddi.dev.location |
簡易位置情報から取得した緯度経度 "lat=%s&lon=%s" |
com.kddi.dev.subid |
EZ番号、取得不可のときは "null" が返却。 |
com.kddi.dev.lcdpower |
メインLCDのバックライトの状態がONまたはパーシャル状態 (微灯) のときは "on"、
OFFのときは "off" |
com.kddi.dev.flipstate |
メイン液晶がユーザーから見える状態のときは "open"、見えないときは "close" |
com.kddi.dev.powersupply |
電池残量ピクト総数が3の場合、電池残量表示"768 "(= 空), "769", "770", "771" (= 満),"896"/"897"/"898"/"899 "(= 充電中) |
- ※ 簡易位置情報取得時、EZ番号取得時には、必ずユーザーに対し取得事前確認を行います。
■起動時のパラメータ
WebページからEZアプリ(J) をダウンロードする際に、パラメータ指定することができます。
JadファイルのURLの後ろに#から続くパラメータを記載します。例を以下に示します。
<a href="device:jam?http://www.au.kddi.com/marubatsu/marubatsu.jad#param=1">○×アプリで遊ぶ</a>
上記例の場合、EZアプリ(J) 起動時に "param=1" の起動引数がシステムプロパティ "com.kddi.midlet.args" 経由で引き渡されます。
このパラメータはダウンロード済みのEZアプリ(J) に対しても有効となります。
起動パラメータはEZアプリ(J) が起動している間のみ有効となります。アプリ一覧画面から起動された場合の起動パラメータはNULLとなります。
パラメータの最大長はURLとあわせて1023バイトになります。したがって、パラメータの最大長は (1023-URL文字列長) になります。
上記例の場合、URL長が47文字 (http://www.au.kddi.com/marubatsu/marubatsu.jad#) となり、最大パラメータ長が976文字 (=1023-47) となります。
■そのほかの仕様
そのほか、EZアプリ(J) 実行環境に関する特記事項を以下に纏めます。
項目 |
説明 |
画像ファイル |
長辺800ドット以内、短辺480ドット以内、サイズが400キロバイトまでのPNGファイル、もしくはJPEGファイルを展開可能です。 ただしメモリ利用状況により展開が失敗する場合があります。 |
文字コード |
デフォルトエンコードはSJISで、そのほかにUTF-8をサポートします。 |
Trusted対応 |
Trustedアプリには対応しておりません。 |
保存ファイル |
256キロバイトまでのレコードストアに対応しています。 |
アプリ一覧のアイコン表示 |
OAP-Icon-S、OAP-Icon-M、OAP-Icon-L、MIDlet-Iconで指定されるアイコンのファイルサイズがトータルで100キロバイトを超えた場合、指定したアイコンを表示することができません。 |
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